カードローンの返済、遅れたらどうなる?身に起こるペナルティとは
カードローンはお金を借りるのにとっても便利な手段です。
「思いの外お財布がピンチ!」という時に助かっているよ、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、当然借りたものは返さなければなりません。きちんと返済出来ているなら全く問題ありませんが、問題なのは「返済が遅れてしまった」「返済が出来ない」という状態です。
「ちょっと遅れてもちゃんと返せば大丈夫」と気楽に感じている方もいるかもしれませんが…そんな余裕をかましていると、思いの外大きなペナルティがやってくることもあるんです!
もし返済に遅れてしまったら、どんなペナルティが待っているのか?きちんと知って、延滞の危険性を知りましょう!
返済が遅れたペナルティ1:遅延損害金が発生する
カードローンの返済が遅れることによって必ず発生するペナルティ、それが「遅延損害金」です。
遅延損害金とはその名前の通り、延滞することによって追加で支払わなければならない「罰金」のようなもの、と思っていただければいいでしょう。
遅延損害金の金利は非常に高いので注意!
遅延損害金の金利は、カードローンで借りるお金の金利よりも高いのが一般的です。
大手消費者金融及び銀行系のカードローンの通常の利率と遅延損害金の利率をまとめて表にしてみました。
名称 | 通常利率 | 損害遅延金利率 |
---|---|---|
プロミス | 4.5%~17.8% | 20.0% |
アイフル | 3.0%~18.0% | 20.0% |
アコム | 3.0%~18.0% | 20.0% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 19.94% |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% | 14.5% |
楽天銀行スーパーローン | 1.9%~14.5% | 19.9% |
通常金利に比べるとぐっと高い金利で遅延損害金用の利率が設定されていることがおわかりいただけるかと思います。
中で一番低い金利は「イオン銀行カードローン」の「14.5%」ですが、それでもイオン銀行カードローンの最高金利に比べると1%近く高い金利になっているんですよね。
遅延損害金がプラスされると返済の負担が増大!
遅延損害金は、本来支払うべき利息にプラスして支払わなければなりません。
例えば「アイフル」で金利18.0%で10万円を借り、24回で返済するという計画ですが、30日延滞したとしましょう。
本来支払うべき利息額は「100,000 * 0.18 * 30 / 365 =1,479円」ですが、30日間延滞したため、遅延損害金としてさらに「100,000 * 0.2 * 30 / 365 =1,643円」がプラスされます。
アイフルで24回で10万円を返済する場合、毎月の返済額は「5,000円」となります。
ここに本来の利息分(1,479円 ※1回目の返済の利息額)が含まれているわけですが、そこに損害遅延金をプラスしますと、支払う金額は「6,643円」となります。
含まれている元金(借りたお金そのもの)は「3,521円」ですから、半分近くは利息と遅延損害金になってしまっているんですね。
30日の延滞でも、本来支払うべき利息額を超えた額を支払わなければならないことからも「延滞はするもんじゃない」と思えるのではないでしょうか。
当然、延滞の期間が長くなればなるほど遅延損害金も積み重なっていきますので1日でも早く返済することが大切なんです。
返済が遅れたペナルティ2:カードローン会社からの連絡
返済が遅れたことによるペナルティ…と言っていいのかはちょっと微妙なところではありますが、延滞をすることで必ずカードローン会社から連絡が来ます。
延滞したから当然だと言えるのですが、ここで初動を間違うとなかなか面倒なことに…。
ただひとつ言えることは、「カードローン会社から連絡が来たらちゃんと反応する(電話なら出る)」ことです!
とりあえず電話に出ることが大切
契約の形態によってはメールでの連絡のみとなっていても、延滞の場合は緊急時でもあるため、電話がかかってくる可能性が高いでしょう。
もし電話がかかってきた場合、セールスの可能性もゼロとは言えませんが、とりあえず出ることをオススメします。
仮に返済をうっかり忘れていた場合はすぐに対処出来ますし、支払う遅延損害金も少なく済みます。
また、返済がちょっとキツいという場合でも「○日までに返済します」と伝えておけば、その日まで連絡がくることは基本ありません。
電話に出ないというのは正直言って印象を悪くし、信用を下げる行為なので絶対に避けたいところです。
もし電話がかかってきたタイミングでちょうど出られなかった場合は折り返しをするなど、印象を下げるようなことはやめたいですね。
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電話を無視していると自宅に督促状が届く
…ですが、延滞していると「電話で怒られるかもしれない」「電話に出たらお金を返さなければならない」といった思考に陥ってしまい、電話に出るのが怖い!とついつい電話を無視してしまうケースもあります。
これは悪手であって絶対にしてはいけないのですが、無視を続けてしまったとしましょう。
電話が通じないとわかると、カードローン会社の方も次の手を打ってきます。
それが、自宅に届く「督促状」です。
差はあるものの、延滞して1週間後~10日後くらいから届き始めるかと思います。
督促状ははがきで送られてきますが、自宅に届くため「自宅への郵便物不可」として、家族にバレないように努めてきた方であっても容赦なく届きます。
なので、ご自身が発見するよりも早くご家族の方が発見してしまうと、家族にカードローンを利用している(さらに延滞している)ことがバレる可能性があります。
また、督促状も何度か送られてきますが無視をし続けていると、「このままだと法的措置を取る」といった文言が記載されたものも届くようになります…。
自宅に訪問…はメジャーではないが来る可能性はある
督促状を送ってもビクともしない場合、さらに次の手が来ることがあります。
それは「自宅への訪問」です。
行われる場合、だいたい延滞して1ヶ月くらいのタイミングのようですね。
すべてのカードローン会社が自宅へ訪問するというわけではありませんが、法律で自宅への訪問が禁止されているわけではないため、担当者が自宅を尋ねる可能性はゼロではありません。
もちろんドラマで言われているような激しい取り立て(大声を出す、借金をしているという貼り紙をする…といった昔のドラマであったようなもの)はなく、営業のように訪ねるだけです。
このタイミングでも無視出来る(対処できる)人は少ないかと思いますが、そもそも訪問という手段を取らない場合は、変わらず電話や督促状が届く形になっています。
もし自分が帰ってきた時にカードローン会社の方がいた場合、直接返済の交渉が行われます。
ここまで来るともうごまかせないと思うのか、素直に返済に応じる方が多いようですね。まあ、家にまで来られてたら当然かもしれませんが…。
最終的には裁判のお知らせが届くことも…
それらもずっと無視していたら、最終的には「法的措置を取る」と督促状に書かれていたように、裁判のお知らせが届きます。
だいたい延滞して2~3ヶ月くらいでしょうか。
カードローン会社側は以下のどちらかで裁判所に訴えを起こすことになります。
- 一括返済の要求
- 会社の給与差し押さえ
裁判に出席しなければ全面的にカードローン会社側の言い分が認められますし、出席したとしても実際に返済していないわけですから大きく不利であることに変わりはありません。
ここまで行くと、よほど踏み倒す気概がないと「詰み」と言えるでしょうね。
返済が遅れたペナルティ3:信用情報に傷がつく(ブラック)
返済が遅れることによってつくペナルティ、3つ目は「信用情報に傷がつく」ことです。
お金を借りようと思っている、借りたことがある方であれば金融の「ブラック」は耳にしたことがあるでしょう。
自己破産や任意整理といった債務整理を行ったらブラックになる、というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、延滞でも十分にブラックになってしまうんです!
信用情報に「延滞」がつくとどうなる?
信用情報に「延滞」がついてしまいますと、いわゆる「ブラックリスト入り」した状態になります。
ブラックになってしまうと、以下のようにお金を借りられないだけでなく、現在の借入の一括返済を求められることもあります。
- 現在の借入の利用停止(延滞していない借入も含む)
- クレジットカードの利用停止
- 各種ローン・クレジットカードの新規申し込み不可に
- 現在の借入の一括返済を求められる
信用情報はお金にかかわる企業が共有している情報のため、1つの会社が延滞だと登録したら、信用情報をチェックした時に外の会社も「この人は延滞しているな」と把握出来ます。
なので、A社で延滞したけどB社にはバレてないから大丈夫!…なんてことは起こらず、B社でもお金を借りることは出来ないんですね。
さらにこの延滞の情報が「信用情報」から消去されるまではこの状態が続くこととなり、現金主義を貫かざるを得なくなってしまいます。
「延滞」がつくタイミングは…まちまち!?
気になるのは、信用情報にいつ延滞の情報がつくのかというところでしょう。
実はこれは「まちまち」なんです。
だいたいの目安としては60日~90日くらいと言われていますが、例えば頻繁に延滞している人だった場合、30日の延滞でも「もうこりゃアカン」と判断し、信用情報に延滞の登録をしたらもうその時点でブラックになります。
逆に普段延滞なんて全くしなかったのに延滞をした場合であれば60日くらい経ってからブラックになるかもしれません。
自己破産などのように明確な基準が決まっているわけではないため、その会社の裁量によるところが大きいと言えるでしょう。
ただ、1日延滞したからといって担当者がすぐに延滞として登録!ということは少なく、連絡がきちんとつき返済の意志を見せているのであれば、1日~1週間程度の延滞は信用情報に登録されないかと思います。
「延滞」が信用情報から消去されるのはどのタイミング?
一度ブラックになるような情報が信用情報に登録されてしまったとしても、一生その情報が残るわけではありません。
自身に不利な情報であっても、一定の期間が経過すればその情報は消去される仕組みになっています。
つまり、ブラックになってしまったとしても一定期間が経過すればブラックではなくなるというわけですね。
日本には「株式会社シー・アイ・シー」「日本信用情報機構」「全国銀行個人信用情報センター」の3つの信用情報機関(信用情報を管理している第三者機関)がありますが、延滞の情報が登録されている期間は以下の通りです。
株式会社シー・アイ・シー | 延滞解消日から5年間 |
---|---|
日本信用情報機構 | 延滞解消日から1年間 |
全国銀行個人信用情報センター | 延滞解消日から5年間 |
注意すべきポイントは「延滞が解消されてから」というところです。延滞が解消されない場合はいつまでたってもブラックのまま…と言ってもいいかもしれません。
また、この中では「日本信用情報機構」のみ1年となっていますが、信用情報は3つの信用情報機関で共有されていますし、1つのカードローン会社が2つ以上の信用情報機関に加盟していることもあります。
なので年数に差があったとしても、基本は一番長い期間で判断することになっていますから、この場合は延滞が解消されてから5年間はブラックだ、ということですね。
自分の信用情報が気になるなら開示請求を
もし、今ご自身の信用情報がどうなっているのかなと気になるのであれば、それぞれの信用情報機関に対して開示請求を行うことが出来ます。
開示請求の方法は各信用情報機関によって異なりますが、一番お手軽なのは「株式会社シー・アイ・シー」で、クレジットカードを利用して1,000円の手数料を払うことでインターネット上ですぐに開示が行えます。
ごくまれに、同姓同名の方の信用情報が誤って登録されていることがあるようですので、カードローンを使ってみようかなと考えている方も、間違った情報が登録されていないかチェックするために一度信用情報を見てみてもいいかもしれませんね。
返済が遅れたペナルティ4:会社に借入がバレる可能性が出てくる
返済が遅れた際のペナルティ、4つ目はとっても恐ろしいものです…。
それは「会社に借入がバレてしまう可能性がある」こと!
お金が借りられなくなったり、自宅に郵便物が来るのもそれはそれで恐ろしいことなのですが、会社にお金を借りていたことがバレるというのはそれらと比べてもかなり厳しいのではないでしょうか。
借り先によっては勤務先に電話がかかってくることもある
返済が滞っていると電話での連絡が来る、というのは先程のトピックにて書いたことですが、場合によっては勤務先にも電話がかかってくることがあります。
とはいえ、すべてのカードローン会社がそうしている…というわけではありません。
といいますのも、消費者金融は「貸金業法」という法律が適用されているわけですが、その貸金業法21条の3項にて、「正当な理由がないのに債務者の勤務先などその他の連絡先にFAXや電話、あるいは訪問をしてはいけない」と、取り立て行為全般に関する規制が行われています。
しかしあくまでこれは「正当な理由がない場合」と決められています。
例えば毎月きちんと返済をしているのに、勤務先に電話をして「今月もちゃんと返済してくださいね」と言うのはアウトです。
ですが連絡先の携帯電話にいくら電話をかけても反応がなく、督促状を送っても反応がない…という場合、勤務先なら本人が出てくれるかもしれないと思って電話をかける行為は「正当な理由」に合致するわけです。
正当な理由があるからといって、必ず勤務先に電話がかかってくるわけではありませんし、仮に電話がかかってきたとしてもお金を借りたことがバレないように在籍確認の時と同様、個人名で電話をしてくれます。
ただ、在籍確認以外で勤務先に電話がかかってくることになれば、会社にばれる可能性が上がってしまう…というのは事実ですよね。
給与の差し押さえが裁判所に認められたら会社にバレる
ずっと返済せずにカードローン会社からの連絡を無視していると、最終的に「給与の差し押さえ」の訴えが裁判所に対して提出されることがあります。
その際の裁判に出席しなければ、原告(カードローン会社)の言い分をすべて認めることとなり、給与の差押えが行われます。
差し押さえになった場合、お給料から先に差し押さえ分を引かれてから振り込まれる形になるため、当然カードローン会社側はその判決をあなたの勤務先に伝えます。そうしないと差し押さえの手続きが出来ないからですね。
…となると、当然ですが会社にあなたがカードローンでお金を借り、それが返済できずに強制的に返済させられていることがバレてしまいます。
会社の人にわっと広まるわけではありませんが、その状況を受け入れられるという方はあまりいないのではないでしょうか。
会社にバレたくなかったら早めに応対することが必要
会社にお金を借りていることがバレないようにする方法、それは当然そういった状況になるまでにカードローン会社に連絡をして返済の意志を見せることです。
もちろん返済の意志を見せて実際に返済しない…というのはそれはそれでダメなのですが、一切の連絡を無視して返済もしない状態よりはまだマシです。
あちらもできれば穏便に返済してもらいたいと思っていますので、「あと1ヶ月の間に何も返事がなければ差し押さえしますよ」という通告が届いた後でも連絡すれば、返済プランを交渉することも可能です。
返済が遅れそう!そんな時の対処法は?
ここまで、返済が遅れてしまうことによって様々なペナルティを受けることになると十分におわかりいただけたのではないかと思います。
「そんなのは自分には関係ない」と思っていても、急に出費が多くなってしまったり、ケガなどをして仕事が出来ない時期が出来て収入が下がってしまったり…など、何が起こるかわからない世の中、「大丈夫だと思っていたのに返済出来るかピンチ…!」になる可能性だってあります。
そんな時に、できるだけダメージを少なくして乗り切るにはどうすればいいのか、その対処法をこのトピックではご紹介していきます。
なにはなくともまず連絡をする
一番大事なのは、「返済出来るかわからないな」と思えたタイミングですぐに借り先のカードローン会社に連絡をすることです。
「もしかしたら返済が遅れるかもしれない、どうすればいいか」を電話して相談することが大事なんです。
「そんなこと言ったって、もしかしたらちゃんと返済出来るかもしれないからすぐに連絡する必要はないんじゃない?」と思われるかもしれません。
確かにそれは正しいと言えるのですが、お金を貸している方からすれば「不安かも」となったタイミングで連絡がほしいものなんです。もし問題なく返済出来たら、それはそれで「よかったね」となるだけなので、デメリットは全くありません。
早めに連絡しておくことで、信用を少しでもなくさないように努めていることが伝わりますし、相手方も早いほうが対処がしやすいのが本音です。
「返済できないかもしれないから、だまっとこ」というのは悪手すぎます。
友達と会う約束をしていて「会えないかもしれないけどだまっとこ」「会えないから連絡しなかったけど別にいいよね」なんて思いませんよね?
お金を貸す側もあなたのことを信用して貸しているのですから、その信用を裏切るような行為は絶対にやめましょう。
返済が遅れたとしても遅延損害金を支払う必要がある
「返済が遅れたと連絡したから、損害遅延金は支払う必要はないよね?」と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
いくら連絡をしたからといって、決められた返済日にお金を返せない場合はきっちり損害遅延金がつきます(場合によっては免除されることもあるかもしれませんが、基本はつくと思ってください)。
返済が遅れる連絡をするのは、あくまで「返済日には間に合わないけど○日までには返済するから」と、取り立て行為をしないでね、とお願いしているに過ぎません。
ただし、相談の上で返済日に利息分だけでも返済していれば遅延損害金はつきませんし、延滞扱いにもなりません(この場合は返済期間が伸び、返済総額も増えます)。
返済が厳しいタイミングなら返済日の変更も視野に入れる
また、人によっては毎回返済が厳しい…なんてこともあるかもしれません。
例えば給料日前が返済日になっているケース。これは毎月大変な気持ちになってもおかしくありません。
借り先によるのでなんとも言えないところですが、返済日が複数選択できたり、自分の好きな日に設定出来るところであれば、返済日を変更することで毎月の負担を軽くすることも可能です。
延滞は大きなペナルティもある。信用を失わない行動を!
ついうっかりでしてしまうこともある延滞ですが、何度も繰り返したり、返済しないまま長い間放置したり…といった行動をしていると、思った以上に大きなペナルティがついてしまいます。
5年以上お金を借りることが出来ない、クレジットカードも使えない生活というのはとても不便なことです。
延滞で信用を失ったり、電話にビクビクしながら過ごすのは正直勿体無いことです。
お金を貸した側もきちんと事情を話せば理解してくれますし、今の返済額では負担が大きいということであれば、毎月の返済額を減らすなどの返済プランについての相談にも乗ってくれます。
カードローンは「信用」という目に見えないものを担保にお金を貸し借りしています。
その信用をなくすような行為はしないように、健全にカードローンを利用することが大切です。