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ローン返済に困った時の最後の手段!自己破産について解説

ローンなどお金を借りて返済してきたけれど、いつの間にか利息が膨らみすぎて、今の生活では返済に手がまわらない…!

そのような状況になると、生きているだけでも辛い、そんな気持ちになってしまうでしょう。

そんな時は思い切って「債務整理」を考えるのもひとつの手段です。

債務整理といっても主に3種類ありますが、全ての借金の返済義務がなくなるという、一番強い効力を持つのが「自己破産」です。

自己破産というと怖いイメージを持っているかもしれませんが、そんなことはありません。

今回は、自己破産をしたときのメリット・デメリットをはじめ、自己破産を行う手順や、その後お金を借りる際の注意点など、0から10まで解説します!

全ての借金がなくなる!?「自己破産」のメリット

自己破産=借金がチャラになる!というイメージを持っている方が多いと思いますが、それは間違っていません。

自己破産をすることで、支払う義務がなくなる(一部税金などの支払い義務は残ります)のは、借金の返済に困っている方からしたら最大のメリットと言えるでしょう。

一切の借金の支払い義務がなくなる

他の債務整理(任意整理など)はあくまで借りている金額の減額や、一部のみの免除といった形で、全ての借金がなくなることはありません。

しかし自己破産であれば全ての借金の支払い義務をなくすことができます。

自己破産の申立から数ヶ月かかりますが、裁判所にて免責が認められたら今後返済する必要もなく、借金に追われる生活から脱却することができます。

強制執行や差し押さえを止めることが出来る

既に返済が滞っている場合、その期間や金額などによっては「強制執行」が行われる可能性があります。

強制執行とは、裁判所に債権者(カードローンであればカードローン会社、あるいは保証会社)が手続きを行うことで、銀行の預金や給与からの天引きなどで強制的に借金を返済させることが出来るものです。

しかし、裁判所が自己破産を認め、「破産手続開始の決定」が行われることで矯正膝根が出来なくなります。

そのため「いつ給料が差し押さえられるかわからない」という不安をなくすことができます。

多少の財産であれば残すことが出来る

「自己破産したら何も残らないから、借金が返済できないけれどするのも怖い」と思っている方もいるかもしれません。

が、流石に全ての財産がなくなってしまうと生活することもできません。

生活に必要なもの(家具など)を取られることはありませんし、20万円以下のものであれば手元に残すことも可能です。

職業までも制限される!「自己破産」のデメリット

自分の借金が帳消しになる!…というのは驚くべきことですが、それほどのことですからやはりそれに伴うデメリットもかなり大きいといっても過言ではありません。

自己破産することで人生が終わる!なんてことはありませんが、ある程度不便な生活を強いられてしまう覚悟は持っておくべきだと言えるでしょう。

他にも債務整理によるペナルティはありますが、職業制限があるのは自己破産くらいのものです。

該当している職業についている方は要注意ですね。

信用情報に「事故情報(異動情報)」として登録される

自己破産のデメリットとして代表的なものが、この「信用情報への登録」でしょう。

いわゆる「ブラックリスト入り」と言われるもので、一定期間お金を借りることや、クレジットカードの新規申し込みなどが出来なくなります。

正確に言いますと、申し込むこと自体は可能ですが、審査に通らなくなります。

信用情報とは、「お金を借りている状況・返済状況」についての客観的な情報を登録したもので、カードローンなどの各種ローンやクレジットカードの利用、最近では携帯電話の本体を分割で購入する際にも情報が登録されますし、審査の際に信用情報をチェックします。

信用情報は、3つの信用情報機関が管理しており、それぞれ独立していますが情報共有は常に行っているため、1つの信用情報機関に情報が登録されたら、他2つの信用情報機関にもその情報が共有されると思っておきましょう。

ちなみに、日本の信用情報機関は

  • 株式会社シー・アイ・シー
  • 日本信用情報機構
  • 全国銀行個人信用情報センター

の3つとなります。

自身が保有する財産を多く失うことになる

自己破産のデメリットとして一番大きいのが、この「財産を失う」ことかもしれません。

対象となる財産は

  • 不動産(所有している家や土地)
  • 20万円を超える財産
  • 99万円を超える現金

となっています。

持ち家や車などは当然のこと、加入している生命保険や学資保険の解約返戻金が20万円を超えるのであれば、2つ目の条件に該当しますので、保険も解約させられます。

生活に必要な家具などが没収されることはありませんが、それ以外で一定以上価値のあるものは全て没収されてしまうと言っても過言ではないでしょう。

【関連記事】

カードローンの返済が出来ないときはどうする?パターンに分けて解説

特定の職業や資格の制限を受けてしまう

自己破産してしまうと、特定の職業や資格の制限を受けることになります。

ただ勘違いされる方も多いのですが、自己破産することによって、今後一切その職業に就いたり、資格を取れなくなる、あるいは剥奪されることはありません。

加えて、自己破産の免責許可決定が降りるまで就けないというだけです。自己破産の情報が信用情報に残っている数年間就けないというわけではなく、だいたい3~4ヶ月程度の話です。

ただ現在対象となる職業の方は、一時的に働くことができなくなってしまいますので注意が必要です。

  • 弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの士業
  • 公証人・教育委員会など公務員の委員長や委員
  • 信用金庫・金融商品取引業など団体企業の役員
  • 貸金業者や古物商
  • 建築業
  • 警備員

など、様々な範囲で職業の制限があります。

また、資格については「代理人」や「後見人」などが対象となっています。

連帯保証人に支払い請求がいく可能性がある

「自己破産して家族に迷惑をかけてしまうのではないか」と考える方は多いでしょう。

基本的に、自己破産をしても家族に職業の制限がかかったり、何かしら信用情報に悪い影響が出たり…ということはありません。その点については安心していただいていいでしょう。

しかし、あなたが借りたローンに連帯保証人がいる場合は迷惑をかける可能性が非常に高いです。

例えば、家を購入する際は住宅ローンを組むことが普通ですが、その時の連帯保証人を妻にしている場合、あなたの奥さんに支払い義務が移行することになります。

そのため、奥さんが支払うことができないとなれば、夫婦共に自己破産をしなければならない…というケースもあります。

保証人が必要なローンを組んでいる場合は、自己破産することでその人に支払い義務が移行してしまうので、自己破産する前にそのようなローンがないかをしっかり確認する必要があると言えるでしょう。

官報に氏名などが掲載される

これは他のデメリットに比べたら大したことではありません。

官報とは、国が発行する機関紙のことで、ほぼ毎日発行されています。

その中に自己破産や個人再生を行った人物の氏名や住所が掲載される場所があり、そこに名前が載るというわけですね。

ただ、生きてきて官報を読んだことがある…という方は、そういないのではないでしょうか?

そもそも会社で毎日取っているというところも少ないでしょうし、それこそ信用情報機関に勤めているような方でもない限りチェックする内容でもありません。

一応インターネットでも読むことができますが、官報を読むのが趣味という方はいるのか?というくらい少ないでしょうし、さらにそれが自身の知り合いである可能性はもっと低くなるといっても過言ではないでしょう。

そのため、いくら名前が掲載されたところで全く…というのは言い過ぎかもしれませんが、それほどまでに影響が少ないデメリットだと言えますね。

自己破産の手続きはどうすればいいの?手順を解説

メリットとデメリットに目を通して頂いた上で「自己破産をしよう!」と決意された方もいるかもしれませんね。

とはいえ「自己破産をしよう…だけどどうすればいいの?」と、その手続方法がわからないと、いくら自己破産をしようと思っていてもいつまでもできません。

ですので、このトピックでは簡単にではありますが、自己破産の手続きについて解説していきたいと思います。

わからないのであれば弁護士に任せるのが無難

最初に重要なポイントです。

自己破産の手続きは必要書類などが非常に多いため、その分手間もかかります。

さらに、後述しますが「管財事件」の場合は弁護士を雇うよりも費用がかかってしまう可能性もあります。

弁護士費用を全く出せないほどに困窮している、あるいは1円でも出す気がないというのであればご自身で自己破産の手続きをすることになりますが、弁護士費用は昔に比べると安くなってきていますし、分割払いが可能なところもあります。

さらに、破産申立のために必要書類を提出した後「面接」という裁判官と面談する流れがあり、その中で破産理由を説明しなければなりません。

自身で書類を作成した場合、提出から面接まで期間が空くのですが、弁護士であればその日のうちに面接(即日面接)をすることができます。

破産手続きが早く進むため、そういう意味でも「プロに任せてさくっと破産手続きをしたい」というのであれば、弁護士に頼むことをおすすめします。

法テラスであれば相談自体は無料ですし、相談のみ無料の法律事務所も増えていますので、まずはそちらを利用してみてもいいでしょう。

自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2つがある

実は、自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があるってご存知でしたか?

この2つの違いを非常に端的に言えば、「財産が残っているかいないか」です。

同時廃止 保有している現金が50万円以下、実質的価値が20万円未満のものがなく、
さらに20万円を多少下回るような個別財産がない場合に適用される
管財 上記のいずれかに「当てはまらない」状態
(財産がある)

このように、財産がほとんどないと判断された場合は同時廃止に、そうでない場合は管財になると思っていただければいいでしょう。

ただこういった基準は地方裁判所によって細かな違いがあるため、絶対にこの条件であれば同時廃止になる、というわけでもないのが難しいところなんです。

さらに、同時廃止事件と管財事件の差は「手数料」にあります。

手続きなどの諸費用などをまとめて「予納金」と言うのですが、同時廃止事件では必要な予納金はだいたい「2万円」程度で済むものの、管財事件となると最低でも「50万円」と、かなりの差になってしまいます。

東京地裁など一部の地方裁判所であれば「少額管財事件」として、予納金も20万円程度で済み、弁護士費用も抑えられるようになっているのですが、こちらは全ての地方裁判所で適用されるかはわかりません(地方による)。

こういった面でも色々とややこしいので、個人的には弁護士に相談することをおすすめしたいですね。

自己破産の手続きをした場合の流れは?

自己破産の手続きの流れについても解説していきましょう。

今回は弁護士に手続きを依頼するケースを想定して進めていきます。

弁護士に依頼する 必要な情報のヒアリングや、スケジュール等の説明があります。
早ければ当日、遅くとも翌日には弁護士事務所から
弁護士の受任通知を債権者に対して発送します。
この段階で取り立てや強制執行は出来なくなります。
申立に必要な
書類の準備
申立に必要な書類の準備を行います。
家や車を持っている方はそれに関する書類、
戸籍謄本などなど10種類以上の書類が必要になることもあります。
申立・面接 必要な書類等が用意できたら、破産手続き申立を行います。
その場で面接も行われ、担当弁護士が面接を行います。
免責の決定 その後裁判官との面接のために裁判所に行く必要がありますが、
免責が認められたら「免責許可決定」となり、
1ヶ月後に法的に確定されます。

同時廃止事件であれば、大体1ヶ月~3ヶ月程度で免責されると思っていただいていいかと思います。上記は同時廃止の例です。

しかし管財事件の場合は手続きももっと複雑になりますし、免責許可が出るまで6ヶ月ほどかかることも珍しくありません。

自己破産の申立をしても必ず免責されるわけではない

ここで注意したいのが、自己破産の申立をしても必ず免責(=支払い義務がなくなる)されるわけではない、ということです。

というのも、自己破産の免責には「免責不許可事由」というものがあり、こちらに該当する理由ですと「免責不許可決定」となり、自己破産できないんです。

どのようなものが対象になるかといいますと、

  • 財産の隠匿(財産があるのに隠した場合)
  • 換金行為など(クレジットカードの現金化など)
  • 偏頗弁済(特定の債権者に対してのみ偏った弁済をした場合)
  • ギャンブルや浪費による借金(最近はスマホゲームのガチャも含みます)
  • 自身の情報を偽って借りたお金

などです。

弁護士に相談する際、必ず理由を聞かれることになるかと思いますが、上記の理由が主であった場合は「その理由では厳しい」などのアドバイスをもらうことが出来るかと思います。

もし免責不許可決定になってしまったとしても、裁判所にて選任された「破産管財人」が管理の監視・指導をすることによって自己破産を認めるという「免責観察型の管財手続き」をすることによって免責する、というケースも大阪地裁では行われています。

また、裁量によって免責をする「裁量免責」もありますので、不許可事由があったからといって、絶対に免責不許可になる…というわけでもありません。

自己破産した後もローンは組める?自己破産の「その後」

もし自己破産したら、その後はローンなど一切組むことはできないのか?

こういった疑問・不安を抱く方は少なくありません。

現状借金によって首がまわらないのであれば、債務整理をする必要があると言えます。

今後ローンを組むことは今の所考えていなくても、将来的もお金を借りられなくなったら不便であることは間違いありません。クレジットカードを持つことができない、という点においてもとっても不便ですしね。

このトピックでは、自己破産をした後、再度お金を借りるためにはどうするべきか?を解説していきます。

自己破産が信用情報に残る期間は最長10年

自己破産の後お金を借りるには、まず信用情報から「破産した」という情報が消去されていなければなりません。

自己破産の情報に限らず、信用情報は項目によって一定期間保存(登録)された後は消去されるというシステムになっています。

ですので、自己破産をした方でも信用情報からその情報が消去されれば再度お金を借りることは可能なんです。

ただ情報が保存される期間は非常に長く、債務整理の中でも最長です。

具体的には以下の表の通り、最大で10年間となっています。つまり、10年間は一切お金を借りたりすることはできないということですね。

株式会社シー・アイ・シー 5年
日本信用情報機構 5年
全国銀行個人信用情報センター 10年

10年というのはかなりの長さです。それだけ自己破産が信用を落とす行為だといえるでしょう。

心配なら信用情報をチェックしてみよう

情報が消去されたという時期になっても、もしかしたら…と不安に感じる方もいると思います。

各信用情報機関に請求することで、本人(あるいは法定代理人など)であれば信用情報を閲覧することが可能ですので「自分の信用情報はどうなっただろう」と思った場合、チェックしてみるといいでしょう。

手数料が1,000円ほどかかりますが、シー・アイ・シーであればインターネット上で手続き・閲覧がすぐに出来るのでおすすめです。

一番登録期間が長い全国銀行個人信用情報センターの場合は郵送でのみ開示請求を受け付けています。一番長い登録期間のものだけみたい!という方はこちらがおすすめですね。

信用情報から事故情報が消えていればお金を借りられる…が!?

信用情報から事故情報(異動情報)が消えていれば、お金を再度借りることが可能になったと言えます。

…が、簡単にお金を借りられるのか?というと、実はそうではありません。

というのも、今の日本である程度の年齢であれば、クレジットカードを使って買い物などを一切しないというケースが少なく(もちろん年齢などにもよりますが)、信用情報に逆に情報がないことでお金を借りられない、ということもあるんです。

これを俗に言う「スーパーホワイト」というもので、この状態になる人の多くは「債務整理をした人」であるため、お金を借りられる状況になったはいいものの、簡単に借りられない状態である…と言えるんです。

最初は携帯電話の購入やクレジットカードの利用がおすすめ

スーパーホワイトの状態でもお金を借りられないわけではありませんが、そのハードルは高いといっても過言ではありません。

そのため、まずは信用情報に常識的なレベルの履歴を残す必要があります。

最近であれば携帯電話の割賦購入ですとハードルが低いので、携帯の機種変更や乗り換えなどがおすすめです。

あるいは審査が甘めと言われているクレジットカードに申し込んでみて、ネットショッピングなどを利用するのもいいでしょう。

デメリットも多いがメリットも大きい。返せず困ったら相談を

自己破産はデメリットも他の債務整理に比べると非常に大きなものではあるものの、支払い義務があるものを全て支払わなくてよくなる…というのは非常に大きなメリットだと言えるでしょう。

ただ、自身が住宅ローンなど保証人が必要なローンを組んでいる場合、迷惑をかけることになるので事前に話を通しておくなど、出来るだけ他人を巻き込まないようにすることが非常に重要です。

必要書類が多く、手続きもすぐに出来るものではないので自己破産の申立はプロである弁護士や司法書士に依頼するのがベストだと言えます。

無料相談を受け付けているところも多いので、内容や費用などを相談してみるといいでしょう。

借金が返せなくて悩んでいる、体調を崩してしまった…ということもあると思います。

自己破産は終わりではなく、新たなスタートを切るための手段でもあります。返済出来る困って、どうしようもなくなっている…そんな時はまず法テラスでもいいので、相談してみることをおすすめします。

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