複数社のカードローンを同時に利用可能?知っておきたい注意点
今すでにカードローンなどでお金を借りているけれど、それだけでは足りないからもっとお金を借りられれば…と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで考えられるのが「カードローンなどの複数利用」です。つまり、今借りているところとはまた別のところから借り入れをする、という方法ですね。
しかし複数社から借り入れをしても大丈夫なの?何かペナルティはない?といった複数借り入れに対する疑問や、他の会社を選ぶ際のポイントや注意点があれば知りたい!という気持ちもあるでしょう。
今回は、そんな「カードローンなどの複数借り入れ」について徹底解説!特徴から注意点、オススメの組み合わせまでご紹介します。
複数のカードローンの利用はそもそも可能なの?
複数の会社のカードローンを利用することはそもそも可能なのか?という点からスタートしたいと思います。
とはいえ、「カードローンは1社でしか利用できない」なんて話を聞いたことがある、なんて方はいないのではないでしょうか。
当然ですが、法律でそのようなことは決まっていません。
複数会社から並行して借り入れをすることは可能
つまり、複数の会社から並行して借り入れをすることは可能となっています。
複数社からお金を借りることで何かしら法的なペナルティを受けることはありませんので、審査に通ったのであれば堂々とお金を借りることが出来る、というわけですね!
借入金額は年収に大きく影響する
それでは、借入金額はどうなのでしょうか。
少なくとも消費者金融(アコム、モビットなど)のカードローンの場合は、借り入れが出来る金額が「年収の3分の1」までとなっています。
年収が600万円の方であれば、最高でも200万円までしか借りることができません。
これは1社につきではなく、借り入れの総額の上限です(車のローンや住宅ローンなどの借り入れは除きます)。
なのでA社ですでに50万円借りている場合、2社目以降でお金を借りられるのは最高でも150万円までとなります。
そのため、複数の会社からお金を借りること自体は可能ですが、年収や現在すでに借り入れている金額によってはもう借りる余剰がない可能性もあります。
年収が高ければ高いほど(借りている金額にもよるものの)他社からも借りやすくはなるでしょう。
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借りられてもせいぜい3社程度が限界
とはいえ、年収に余裕があれば10でも20でも借りられるのか…というと、そういうわけでもありません。
複数の借り入れが可能であっても、大体は3社程度が限界でしょう。多くても5社くらいでしょうか。
その理由は次のトピックにて詳しく解説しますが、カードローン会社は基本的に「複数の借り入れをあまり好まない」というのが根底にあります。
あまり多くの会社から借りていると「多重債務」のイメージが強くなり、他の借り入れ(住宅ローンなど)にも影響が出てきますので、そういう意味でもできるだけ数は抑えた方がいいですね。
カードローンを複数利用する際の注意点はある?
今のカードローンだけでは足りないので、借り入れをプラスしたい!と思っている。
そんな方が、今後別のカードローンなどを申し込む・利用する際に注意しておくべきポイントというのがいくつかあります。
このトピックでは、お金を実際に借りてから「こんなはずじゃなかった!」とならないように、心に留めておいていただきたい点について解説していきます。
2社目以降は審査に通りづらくなる可能性がある
まず最初にお伝えしたいことは、2社目以降の申し込みについては審査が厳しくなる可能性がある、ということです。
例えばA社から30万円借りている人と、A社で20万円、B社で10万円借りている人の場合、年収など他条件が同じだとしても前者のA社からのみお金を借りている方の方が、他カードローンに申し込んだ際に審査に通る可能性が高いです。
すでに借り入れをしている状態で、さらに申し込むというのはそれだけ「お金が必要」とアピールしている、とも言えます。
そのため慎重な審査が行われる可能性があり、本来審査に通るはずのスペックであったとしてもボーダーラインにかかる…なんてこともあるかもしれません。
3社目、4社目…となるとさらに審査は厳しくなっていきます。
複数からお金を借りている「多重債務」の状態は返済などの観点から好まれるものではない、いわゆる「リスクが高い人」という状態のため、それに伴って審査も慎重になっていくと考えてもらえればいいかと思います。
返済は毎月まとめてなので負担が大きくなる
当然ですが、返済は(お金を借りている限り)毎月しなければならないことです。
そのため、複数の会社からお金を借りている…例えば2社からお金を借りている場合、1ヶ月の間に2回返済日がある、と考えてください。
それぞれの返済額は5,000円としても合計すれば1万円の返済となります。借入額によってはそれよりも多くなりますので、お金を借りられたとしても、返済が大変になってしまうケースもあります。
少々話がそれますが、このように毎月の返済が複数に渡る場合、金銭的な負担は1社からお金を借りているときよりも大きな額になることが多いです。
そのため、借金を一本化する「おまとめローン」という商品があるんですね!
返済日の管理をしっかりしないと延滞の原因に
返済の負担に入る部分ではあるのですが、カードローン会社によって返済日が違うことはままあります。
そのため、返済日の管理をきちんとしていないと、うっかり「返済を忘れてた!」なんてことになってしまいます。
各社返済日を忘れないようにリマインダーメールを送ってくれるなどのサービスを実施していますが、それでも忘れてしまう可能性はゼロではありません。
「毎月○日だけ」であれば覚えやすくても、「毎月○日と★日と…」と複数あると覚えるものが多い分、忘れやすくなってしまうことも。
とはいえ、自分できっちり管理出来るのであれば問題がない部分とも言えますね。
他社からの借り入れを内緒にすることはできない
よくある質問のひとつとして、「他の会社からお金を借りていることを内緒にしていれば審査に通りやすいのでは?」というのがあります。
確かに内緒にすれば審査に影響を与えずに(その情報がある場合と比較して)借りやすくなる…と思えそうですが、残念ながらそういうわけにはいきません。
- カードローンなどの申込情報
- 借り入れの利用状況(返済状況なども含む)
というのは「信用情報」にすべて記録されています。
信用情報というのは、銀行やカードローン会社など「お金を貸す」業務をしている会社が共有している情報のことで、審査をする上で必ず参照するものです。
そのため内緒にしていても信用情報を見たらすぐにわかりますし、むしろ隠していたということで心象が悪くなり審査に落ちてしまう、なんて可能性もあります。
隠していても無駄ですので、他社からすでにお金を借りている場合は、素直にその旨を隠さずに明記しましょう。
2つ目以降の借り先を選ぶ際に便利な組み合わせがあれば知りたい!
今すでにお金を借りていて、2社目を考えている…そんな方にとっては「2つ目の借り先」は重要だと言えます。
もちろん「もう利用しようと思っているところは決まっている!」というのであれば問題ありませんが、「どうせお金を借りるならより便利に使えるようにしたい」「お金を借りるにしてもお得な感じにしたい」というのであれば、しっかりと考えて借り先を選びたいものです。
これが絶対…というわけではありませんが、2つ目を選ぶ場合の「相性のいい借り先」と言えるものをご紹介したいと思います。
消費者金融カードローンと銀行カードローン
1つ目の組み合わせは、消費者金融のカードローンと銀行カードローンの組み合わせです。
消費者金融のカードローンは銀行カードローンに比べて利便性が高い商品が多いものの、その分金利が高めに設定されている点がデメリットとも言えます。
銀行カードローンは消費者金融カードローンのように無利息期間がありませんし(消費者金融のカードローンでも無利息期間がない商品もあります)、返済方法が限定されていたり、その金融機関の預金口座を保有していないと利用できない(開設する必要あり)といった点があります。
しかしその分金利が低めに設定されていることが多いので、大きな金額を借りるのであれば銀行カードローンの方がお得です。
なのでこの2つを使い分けるのであれば
- 消費者金融カードローン…無利息期間は有効的に利用し、期間終了後は少額の借り入れに使う
- 銀行カードローン…まとまったお金が必要な時に使う
といった感じにすれば、ちょっとお得に利用できるのではないかと思います。
いずれかのカードローンとクレジットカードのキャッシング枠
もう1つの組み合わせは、いずれかのカードローンとクレジットカードのキャッシング枠という使い方です。
カードローンは消費者金融でも銀行のでもなんでも構いません。自分が好きなもの、今利用しているもので問題ないでしょう。
クレジットカードは「キャッシング枠」であることがポイントです。いわゆるネット通販などでクレジットカード払いを利用する際に使われるのは「ショッピング枠」にあたります。
しかしキャッシング枠は買い物の代金などを支払う時に使うのではなく、カードローンのように現金をATMから引き出す(借りる)際に使用されます。いわゆるクレジットカードにカードローン機能がついているもの、と考えていただければいいでしょう。
カードによってはキャッシングの返済が一括払いのみとなっている場合、初期の設定が一括払いとなっている場合があります。
使用するカードの詳細はしっかりと調べておかないと思わぬ落とし穴にハマってしまうこともありますので注意しましょう!
なぜカードローン2つではなくクレジットカードを選ぶのかといいますと、クレジットカードのキャッシングは海外でも利用が可能だからです。
カードローンは日本国内のみの利用に限定されますから、これはクレジットカードの強みと言えます。
海外に行く予定が特別ない…という方でも、ふとした出来事で海外に行くことになったり、結婚して新婚旅行で海外に行く際など、キャッシング枠があるクレジットカードを持っておくことで、現地でキャッシングが可能です。
現地でキャッシングが出来ることで、
- 日本で事前に「念のために」と多めに両替する必要がない(基本的に必要な分だけでよくなる)
- 現地で「必要な額だけ」「現地通貨で」キャッシングできる(両替の必要がない)
- 余った現地通貨をまた日本円に両替することで損するのを防げる
という3つのメリットを得ることができます。
カードローンと違う使い方が出来る、という点において、複数の借り入れをするのであれば、返済後も使いみちがあるクレジットカードというのは「アリ」な選択肢だと思います。
候補がいくつかある場合に注意したい「申し込みブラック」
2つ目の借入先の候補として、いくつか考えているところがある…という場合に気をつけたいのが「申し込みブラック」です。
耳にした、目にしたことがある…という方もいるかもしれませんが、申し込みブラックになってしまうと一時的にカードローンなどに申し込んでも審査に通らず、お金を借りることができない…なんて結果になる可能性もあります。
お金を借りるために申し込むのに、お金を借りられなくなるなんて本末転倒ですよね。
借り先の候補が決まったら、次は申し込みブラックにならないポイントを学びましょう!
申し込みブラックになってしまう原因は一体なに?
申し込みブラックになってしまう原因は「一度に複数の会社に申し込むこと」です。
この原因には驚かれる方もいるのではないでしょうか。
カードローンなどには必ず審査があるため、どうしてもお金を借りたいと思うのであれば、複数申し込めばどこかは審査に通過するかもしれない…。
そう思って、複数申し込もうかな、と考えるのはごく自然なことだと思います。
しかし、先程も少しでてきました「信用情報」には、申し込みの情報も登録されます。
例えば8月10日にアイフルに申し込んだ後、8月11日にアコムに申し込んだ場合、アコムの審査担当のスタッフはあなたの信用情報をチェックし「8月10日にアイフルにも申し込んでいるんだな」ということがわかるようになっているんです。
その数が多いと、「この人はこれだけ申し込みをしなければならないほど金銭的に困窮しているのではないか?」と思われて、審査に慎重になってしまうんです。
そのため本来であれば審査に可決するような人であっても、短期間に申し込んだ数が多いというだけで避けられてしまう…これが「申し込みブラック」の正体なんですね。
申し込みブラックになってしまったら、どうすればいい?
申し込みブラックになってしまったかどうか、実は確認する方法はありません。
それは、名前こそ「ブラック」とついているものの、実際は「ブラック」ではないからです。
金融的に使われる「ブラック」とは、信用情報に傷がついた状態(自己破産などの債務整理をした、延滞をしているなど)のことを言います。
この場合は信用情報を開示すれば確認することが出来るのですが、申し込みブラックは単純に「申込数が多いので各社が忌避している」状態というだけであるため、信用情報に何かしら「ブラックである証拠」が登録されるわけではないんです。
ですので、「もしかして申し込みブラックになってしまったかも」と思い信用情報を開示したとしても、残念ながら自分で申し込みブラックになっているかを判別する方法はないんです。
じゃあどうすればいいのか?といいますと、「6ヶ月間申し込みをしない」ことが一番簡単な解決方法となります。
信用情報は一生その情報が残るわけではありません。ブラックの原因となる事故情報でさえも、一定の期間をすぎれば消去されます。
申し込みをしたという情報は6ヶ月で消去されるため、情報が消えてから改めて申し込めば「申し込みブラック」ではない状態で申し込みが可能、というわけです。
申し込みブラックにならないようにするには?
それでは、申し込みブラックにならないようにするにはいいのでしょうか。
こちらも非情に簡単なことで、「複数申し込みを行わない」というだけです。
できれば1社のみの申し込みが望ましいですが、それでも不安、選べない…という場合は2社までにとどめましょう。
流石に3社以上の申し込みとなりますと申し込みブラックになる可能性がぐっと上がりますので避けたいですね。
複数のカードローンの利用は可能!自己管理はしっかりと
すでにカードローンを利用していても、別のカードローンを追加で利用すること自体は全く問題ありません。
しかし毎月の返済の負担が増えること、2件であっても「多重債務」という扱いをされても仕方がないことなど、それなりのデメリットというものは存在します。
きちんと返済出来るように余裕を持っておく、返済日を忘れないようにするなどの「自己管理」が大切になってきます。
また、選べないからと複数のところに申し込んでしまうと「申し込みブラック」になってしまう可能性がありますので、申し込む際は1社または2社までに抑えておくようにしましょう。