どうしてもお金が必要でも「カードの現金化」をしてはいけない理由
すぐにお金が必要!そんなときに頼りになる方法とはなんでしょうか?
一番早いのは周りの人に借りる方法でしょう。金額にもよりますが、1万円くらいまでであれば貸してくれる人も多そうです。
次はカードローンでの借り入れでしょうか。金利を支払う必要はあるものの、後腐れなくお金を借りることが出来ます。
しかし他人やカードローンでお金を借りられない、だけどお金が必要…そんな方が利用を考えるのが「クレジットカードの現金化」です。
たまにネット広告などで見かける方もいるでしょうが、実はこれ、絶対にやってはいけないことなんです!
それだけでなく、リスクが高い方法でもあるクレジットカードの現金化について詳しく解説します!
「クレジットカードの現金化」とは?
まずはクレジットカードの現金化について詳しく説明しましょう。
一言で言えば、クレジットカードの現金化とは「クレジットカードのショッピング枠を現金にする」ことです。
枠を現金?カードを現金ってカードを売るの?と、ちょっとちんぷんかんぷんになりそうですが…ここからひとつずつ、丁寧に解説していきますね。
クレジットカードの基礎知識「ショッピング枠」と「キャッシング枠」
クレジットカードの基本的な知識として、まずクレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」という2つの枠があります。
ショッピング枠とは、私達がクレジットカードを使って買い物などをするときに使われる枠で、クレジットカードを作るときに必ず設定される枠だと思っていただければOKです。
対してキャッシング枠は、国内や海外で現金を直接引き出す、まさに「キャッシング」のために使われる枠で、クレジットカードの中にはそもそもキャッシング枠が設定されていないものもあります。
クレジットカードを使ってお金を手に入れる方法は「キャッシング枠」を利用することであって、ショッピング枠を使ってキャッシングが出来るわけではない…ということが重要なポイントです。
クレジットカードによっては、ショッピング枠とキャッシング枠が共有されていることがあります。
例えば「ショッピング枠とキャッシング枠の合計が20万円」という場合、ショッピングで15万円使った場合、その支払が終わるまでキャッシング及びショッピングで利用できるのは5万円までとなります。
また、「ショッピング枠のうち一定の金額までがキャッシング枠」という場合もあります。例えばショッピング枠が30万円あり、うち10万円までがキャッシング枠として利用できるケースです。
その場合、ショッピングで25万円使ってしまうと5万円しかキャッシング出来ませんし、一切ショッピングに利用していなくてもキャッシングで利用できるのは10万円まで、となります。
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クレジットカードの現金化は「ショッピング枠」を現金化することを指す
話を戻しますと、クレジットカードの現金化は「キャッシング枠」ではなく、本来は現金として引き出すことの出来ない「ショッピング枠」を現金に変えることを指します。
とはいえ、現金が必要なのであればキャッシング枠でキャッシングすればいいだけの話。なぜわざわざショッピング枠を現金化する必要があるの?と疑問に思う方もいるでしょう。
そうです、クレジットカードのショッピング枠の現金化は、キャッシング枠を使い果たし、さらにカードローンなどでもお金を借りられない方が「それでも現金が必要!現金がほしい!」と思い利用する最後の手段…的な方法だと言えるんです。
どうして現金化を利用してしまうの?
当然非常にリスクが高い方法ですし、最後のトピックにて詳しく説明しますがクレジットカード会社の規約違反に該当する行為でもあります。
なので使ってはならない方法なんですね。
しかしなぜそのようなことが出来るのか…それはショッピング枠を現金化出来てしまうから、とも言えるでしょう。
どうして現金化を利用するのか、その理由のひとつは「キャッシング枠などを使ってしまったから」ですが、もうひとつの理由として考えられるのが「信用情報に影響がない」ことでしょう。
信用情報とは、カードローンや住宅ローン、クレジットカードの利用履歴などの客観的事実の情報のことで、信用情報に悪い情報…具体的には延滞しているとか、多重債務であることが登録されていると、お金を借りづらくなります。
しかしショッピング枠の現金化は信用情報に登録されることがない(物を購入する場合はその履歴自体は信用情報に載ります)ので、信用情報に影響を与えずに現金を手に入れられる手段として使われることもあるようですね。
そんなショッピング枠を現金化する方法は
- 業者に現金化してもらう
- 自身で現金化する
の2つです。
それぞれどのような方法なのか、次のトピックから具体的に解説していきます。
現金化の方法1:現金化の業者を利用する
ひとつめの現金化の方法は、専門の業者を利用することです。
インターネットで「クレジットカード 現金化」と検索すれば1ページ目からゴロゴロとそのような業者が出てきますので、探すこと自体は容易だと言えます。
業者を通して行うクレジットカードの現金化は、クレジットカードの番号などを相手に渡すようなことではなく(仮にそのような業者があれば悪徳業者ですので、絶対に番号を渡すようなことをしてはいけません)、カードを使い指示された行動を取ることによりお金を手に入れられるものです。
業者の現金化の方法は2種類ある
業者を利用した際の現金化の方法は
- キャッシュバック
- 買い取り
の2種類があります。
1つ目のキャッシュバックは、「○万円の品物を購入すれば、▲万円キャッシュバックします」というもので、▲万円部分が現金として手に入れられる額となります。
キャッシュバックについては一般的にもよく行われるキャンペーンで、1万円以上の品物を買えば10%分キャッシュバック!といったものと同じですね。
このタイプの業者では、業者が指示したネットショップから商品を購入することでキャッシュバックが行われることがほとんどです。
その商品自体の価値が高いことは絶対にない、と言ってもいいでしょう。
2つ目の買い取りは、業者が指定したものを購入してそれを買い取ってもらうという形で現金を手に入れます。
例えばパソコンを購入してもらい、その商品を○円で買い取るからその代金を振り込みますね、という流れになります。
どちらも「何かしらの商品を買い、その一部の金額が現金として振り込まれる」ものであり、そのルートが多少違うくらいです。
消費者金融などに比べてめちゃくちゃ手数料が高い
しかしこの業者によるクレジットカードの現金化、正直手数料がめちゃくちゃ高いです。
とある現金化の業者のキャッシュバック率は利用金額によって以下のように変わります。
1万円~10万円 | 88% |
---|---|
10万円~20万円 | 90% |
20万円~50万円 | 93% |
50万円~100万円 | 95% |
100万円~ | 98% |
現金化業者は基本即日でキャッシュバックをしてくれますが、このキャッシュバック率を見てどう思うでしょうか。
100万円以上現金化する方はそう少なく、だいたい10万円~20万円くらいでしょう。
となると、支払ったお金の10%は手数料として持っていかれることになります。例えば20万円の商品を買っても18万円しか手元に戻ってきません。
いわば「1日で金利10%のところからお金を借りた」ようなものです。
この業者だけが特別手数料が高いわけでもなく、だいたいこんなもんなので、カードの現金化は非常に割が悪いお金の作り方であることがおわかりいただけるかと思います。
その代わり現金化のスピードは早い
非常に割が悪いお金の作り方ではあるものの、カードローンでお金を借りるのと違い、カードの現金化は審査や在籍確認といった煩わしいものは一切ありません。
なぜなら、クレジットカードで商品を買うことができればそれで問題ないからです。
また、ショップにて商品を購入できたことが分かればすぐに振り込みをしてくれますので、現金を手に入れるスピードは一番早いといってもいいかもしれませんね。
業者を利用した際の現金化の手順
当然ながら業者を利用した現金化はオススメしませんが(そもそも現金化自体がダメですが)、手順が簡単なのでつい利用してしまう…という人も多いのではないかと考えられます。
こちらは一例ですが、以下のような流れで現金を手に入れることが出来ます。こちらはキャッシュバック形式の業者の例です。
1.申し込み | インターネットや電話などで申し込みを行います。 最近ではネット上で申し込めるところが多いですね。 |
---|---|
2.商品の購入 | 業者が指定したネットショップで買い物をします。 このときに現金化したいクレジットカードを利用します。 |
3.振込 | 購入した商品の金額に応じたキャッシュバック額が 口座に振り込まれます。 |
4.品物の受け取り | 手順2で購入した品物を受け取ります。 |
審査など一切ないので、クレジットカードを持っている人であれば簡単に出来てしまうこと…それも現金化が利用される理由なのでしょう。
現金化の方法2:自身で現金化する
もう一つの現金化の方法は「自分でやる」ことです。
といってもやることは業者の「買い取り形式」に似たようなものだと言えるでしょう。
自分で品物を購入してそれを販売する
と言いますのも、自分で何か品物を購入し、それを転売…といいますか売ることで現金を手に入れることで現金化する、という方法だからです。
いらないものをオークションサイトやフリマサイトで販売することは今や珍しいことではありません。
それを利用して、クレジットカードで「売れるであろう」ものを購入してそれを売ることで、現金を手に入れるというわけですね。
手数料はかからないが目利き力が必要になる
自分で現金化しますので、現金化する際の手数料はかかりません。フリマサイトなどを利用する場合その手数料はかかりますが、それでも現金化の業者サイトよりは低い手数料で利用できるはずです。
しかしその代わり、自分で「売れるであろう」という品物を見極める目利きのような力が必要になります。
なぜなら、売れない品物を買ったところで自分の負債が増えるだけだからです。
需要があり、高く売れるものを購入するための情報収集は必須だと言えるでしょう。
いつお金が手に入るかわからない
さらに現金化の業者と違うのは「いつお金が手に入るかわからない」部分です。
業者の場合は指定した商品を購入する、指定したサイトで購入することにより取引が行われ、相応の現金がすぐに振り込まれます。
しかし自分で現金化する場合、その品物が売れるまでお金を手に入れることは出来ません。
そのため場合によっては、品物だけが残って結局お金を手に入らない…なんてことも十分にありえてしまいます。
自分で現金化を試みた場合も規約違反に該当
業者を通じてクレジットカードの現金化をするのはクレジットカードの規約違反に該当しますが、自身で現金化を行う場合も規約違反に該当し、場合によってはクレジットカードの利用停止処分を受けることがあります。
「業者を通じてないからわからないだろう」と思っていても、実はマークされているなんてこともありますので、業者を通す通さないにかかわらず、ショッピング枠の現金化はリスクが高い行為だということは知っておきましょう。
クレジットカードが使えなくなる!現金化のリスクとは
ここまで現金化の具体的な手法について見てきましたが、何度か触れていますようにクレジットカードの現金化は非常にリスクが高い行為であると言えます。
ここからは、なぜリスクが高いのかその理由や、現金化することによるデメリットについて詳しく見ていきましょう。
クレジットカードの現金化はそもそも禁止されている
リスクが高いといえる最大の理由は、クレジットカード会社の規約で現金化はそもそも禁止されているからです。
「あくまで規約違反?法律違反ではないの?」という疑問に答えますと、法律違反とは言えませんが、グレーゾーンであることは間違いない、と言えます。
現金化業者はキャッシュバック形式を取っているのであれば「商取引」という扱いで、買い取り形式を取っているのであれば「古物商」という扱いで法律面は問題ないですよ、というていを取っています。
そのため現金化の業者があることはクレジットカード会社側もわかってはいるものの、簡単に取り潰すことは出来ないというわけですね。
また、なぜクレジットカードの規約で禁止されているのか…という理由ですが、ショッピング枠の現金化をする人はすでにキャッシング枠を使い果たしていたり、他にカードローンを利用しているなどの多重債務のリスクが高い人になります。
多重債務のリスクが高い人ということは、最終的に支払いが不能になるリスクも高い人だと言えます。
仮に支払えなくなり自己破産してしまった場合、その損害を被るのはクレジットカード会社になってしまいますから、リスク回避のためにもショッピング枠の現金化は禁止しているわけですね。
現金化がバレたらカードが利用停止に!
もし、クレジットカードの現金化がバレてしまったらどうなるのでしょうか?
その結果は非常にシンプルで、そのクレジットカードの利用が停止になります。また、今後その会社のクレジットカードを作れる可能性は限りなく低いといえるでしょう。
さらにそれだけでなく、まだそのカードの支払いが終わっていない分を一括請求されることも十分にありえます。
それだけでなく、信用情報にも傷がついてしまう
クレジットカードが使えなくなるだけでなく、信用情報にも傷がついてしまいます。
信用情報はクレジットカードやカードローン、住宅ローンなどお金を借りる上で必ずチェックされる非常に大事な「信用」に関する情報です。
そこに「利用停止」や「強制退会」と記載されてしまうと「この人は何かしら悪いことをしてクレジットカードの利用停止をくらったんだな」とわかってしまうので、お金をかなり借りづらくなります。
いわゆる「ブラック」の状態ですね。
業者に頼んだとしても詐欺に合う可能性がある
バレてしまったときのペナルティやリスク以外にも現金化にはリスクがあります。
それは、業者を利用して現金化をしようとしたときに悪徳業者である可能性です。
ショッピング枠を現金化しようと考える人はお金に困っている可能性が高く、仮に詐欺にあったとしてもショッピング枠の現金化はクレジットカードの規約違反に該当するため泣き寝入りするだろう…という考えのもと、そこにつけこむ悪徳業者は少なくありません。
また、換金率がサイトに記載されている数字よりも低かったり、申込みに使った情報が他の業者に横流しされる…といったケースもあります。
闇金などに自分の情報が流れると携帯電話に連絡がくるなんてことも。
「利用するのは1回だけだから」といっても、その情報が様々な悪徳業者に「利用できる可能性がある」と伝わってしまうこともあるんです。
自分で現金化しようとしても、マークされることも
また、自分で現金化をすればバレないのでは…?と思う方もいるでしょうが、実はそうでもありません。
いつもキャッシング枠一杯に利用している人や、キャッシング枠だけでなく他にカードローンも利用しているといった「お金を借りることが多い人」というのは、クレジットカードの現金化もそのうちするのでは?と、お金の使い方についてマークされることも。
加えて普段はそんなにショッピング枠を使わない人が一気に高い買い物をしたり、また購入した品物が現金化しやすいものであると、カード会社から問い合わせがくることもあるようです。
もちろん正当な買い物であれば「自分で買ったものですよ」と言うだけで問題ありませんが、そうでない場合言い訳がうまく出来ず、カードの現金化がバレてしまった、なんて経験談もあります。
カード会社も現金化に関して非常に敏感なので、リスクをわざわざ背負う必要はないと言えるでしょう。
カード現金化はリスクが高すぎる!普通の使い方をしよう
クレジットカードの現金化は、リターンに比べてリスクが大きすぎることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
そもそもショッピング枠を現金化するというのはカード会社の規約違反に該当するだけでなく、業者に依頼すると手数料として20%近くを持っていかれますし、悪徳業者ですとさらにトラブルのもとになってしまいます。
個人で現金化するとしても本当に現金化出来るかは自分の手腕にかかっていますし、さらにカード会社に目をつけられてしまうというリスクだってあります。
現金を借りるためのキャッシング枠が用意されているわけですし、カードローンを利用するなど、法的に認められた方法でお金を借りるべきですし、それが出来ないのであれば、その原因を解消するしかありません。
どうしても現金が必要、そんなタイミングもあると思いますが、ショッピング枠の現金化だけはしないようにしましょう。