いったいどれくらいいるの?消費者金融の利用者数などを調べてみた
話題に出にくいものは、他人が使っていてもわからない…そんなことってとっても多いですよね。
「カードローンの利用」もそのひとつ。仮に利用していても、他人に「自分はカードローンを使ってるんだ!」と話すことはそうないでしょうし、そのようなことを話されることもそうないでしょう。
しかし、利用しようかなと考えている人にとっては、他に利用している人がいることが後押しになることもあります。「もしかして、使おうと思っているのは自分だけなんじゃ…」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか?
そこで、今回は消費者金融の利用者数などを様々なデータを元に調べてみました。消費者金融を利用している人って、意外と多いんです!
「JICC(日本信用情報機構)」のデータから読み解く
最初はJICC(日本信用情報機構)のデータ(各種統計データ)をチェックしてみましょう。
JICCは日本に3つある「信用情報機関」のひとつで、主に消費者金融会社が加盟しています。
つまり、JICCのデータを読み解けば、消費者金融に関するデータや情報がわかる、というわけです!
貸金業法対象の登録者数
JICCに登録されている、貸金業法対象の登録者数です。
貸金業法とは消費者金融ら「貸金業者」に適用される法律のことで、他にクレジットカード会社なども該当しますが、大体は貸金業者と思っておいてもいいかなと思います。
登録人数 | 登録件数 | 登録残高 合計数 |
一人あたり 残高あり件数 |
一契約 あたりの残高 |
|
---|---|---|---|---|---|
総登録情報 | 1,803.7万人 | 3,047.4万件 | – | – | – |
残高有り情報 | 1,093.1万人 | 1,638.9万件 | 8兆2,238億円 | 1.5件 | 50.2万円 |
異動情報 | 360.6万人 | 579.7万件 | – | – | – |
総登録情報は、貸付契約が継続中及び完済済みの方両方の数字なので、現在お金を借りていない方も含まれています。
登録件数が多いのは、同じ人が複数の借り先からお金を借りているからと考えられます。
その中で、残高がある、つまり現在も借り入れ中の方は1,093万人となっており、かなりの数ということがわかりますね。
1契約あたりの残高が50万円超えということから、なかなかにたくさんお金を借りている方が多いように見受けられます。
最後の異動情報は入金予定日から3ヶ月以上入金がなかった方が該当し、ここに数字としてあげられています。
残高がある人の借入件数ごとの登録状況
カードローンなどを利用している方の中には「多重債務」…つまり、複数の借入先からお金を借りている、というケースも少なくありません。
JICCの各種統計データにはそのことがわかるデータもまとめられています。
登録人数 | 登録件数 | 残高 | 一人あたり の残高 |
一契約 あたりの残高 |
|
---|---|---|---|---|---|
1件 | 725.2万人 | 725.2万件 | 4兆3,319億円 | 59.7万円 | 59.7万円 |
2件 | 241.5万人 | 483.0万件 | 2兆1,921億円 | 90.8万円 | 45.4万円 |
3件 | 88.5万人 | 265.4万件 | 1兆353億円 | 117.0万円 | 39.0万円 |
4件 | 28.0万人 | 111.8万件 | 4,209億円 | 150.6万円 | 37.6万円 |
5件 以上 |
10.0万人 | 53.6万件 | 2,436億円 | 243.6万円 | 45.4万円 |
合計 | 1,093.1万人 | 1,638.9万件 | 8兆2,238億円 | 75.2万円 | 50.2万円 |
このデータを見ると、約1,000万人の借り入れ中の人たちの約8割が1件のみ、つまり1つの会社からのみお金を借りている状況だということがわかります。
2件になると一気に3分の1程度の人数になるものの、残高は約2倍増。1契約あたりの残高も1件と比べてそう大きく変わらないことから1件しか借りない方と同じくらいの限度額を2件から借りているのではないかと想定できますね。
流石に3件以上ははっきりと「多重債務」と見られ、借りられること自体が少なくなっていくのでその人数もどんどん減っていっていますが、2件の場合と5件以上の場合で、1契約あたりの残高がほぼ同じなのが気になるところです。
お金を借りている人は多くても、ほとんどが1件からのみで済ませているわけで、逆に言えば1件からお金を借りるくらいであれば特別珍しいことではない、と言い換えることも出来そうです。
「日本貸金業協会」の調査レポートから読み解く
続いては「日本貸金業協会」の「資金需要者等の現状と動向に関する調査結果報告」をもとに、お金を借りる人の人物像についてより深く読み解いていきたいと思います。
日本貸金業協会は、消費者金融をはじめとした「貸金業者」の自主規制のための機関で、よりクリーンな経営・運営を行うためのものです。
プロミス、アイフルといった大手消費者金融も日本貸金業協会に加盟しており、加盟していることでホームページなどに加盟番号を記載することが出来ます。
利用者側は「日本貸金業協会に加盟しているということは、健全な運営をしているから安心してお金を借りることができる!」と判断できるようになっています。
消費者金融利用者の年齢・男女比
早速ですがデータを見ていきましょう。
このデータはカードローンを利用している人物像についても調査結果があり、「一体どんな人がカードローンを利用しているんだろう?」と、正直一番気になっちゃう部分についてバッチリとわかります。
まずは男女比を見てみましょう。
男性 | 女性 |
---|---|
63.7% | 36.3% |
男性が約6割、女性が約4割という結果に。
男性がもうちょっと割合が高い(7割程度)かなと思っていましたが、女性も消費者金融カードローンでお金を結構借りていることがわかりますね。
「プロミス」や「レイク」、「アイフル」など女性向けの商品を出しているところも多いので、その影響も強いのかもしれません。
続いては利用者の年齢を見てみます。男女別です!
~29歳 | 30歳 ~39歳 |
40歳 ~49歳 |
50歳 ~59歳 |
60歳 ~69歳 |
70歳~ | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 10.0% | 13.1% | 16.2% | 13.1% | 7.8% | 3.4% |
女性 | 5.0% | 6.5% | 9.3% | 7.6% | 4.8% | 3.1% |
男女どちらの世代も40歳~49歳が一番多く、次いで50歳~59歳。男性の場合は30歳~39歳も同率ですね。
このあたりが色々とお金が入用になる世代、ということなのでしょうか。
貸付残高の構成比
次のデータも、これまた気になる貸付残高についてです。
元々はもっとお金を借りていたものの、返済を続けることによって残高がここまで減った…という方も含まれているとは思いますが、「みんな大体どのくらいの金額を借りているのか」は非常に気になるところですよね。
というわけで、こちらも表にまとめましたので早速チェックしてみましょう。
10万円以下 | 20.4% |
---|---|
10万円超~30万円以下 | 22.6% |
30万円超~50万円以下 | 21.3% |
50万円超~100万円以下 | 21.3% |
100万円超~150万円以下 | 8.1% |
150万円超~200万円以下 | 3.7% |
200万円超~300万円以下 | 2.2% |
300万円超 | 0.5% |
このデータを見ますと、お金を借りている方の8割以上が100万円以下の残高であることがわかります。
消費者金融からお金を借りる場合、1社から50万円を超えた金額の借り入れを希望するのであれば収入証明書類(確定申告書や源泉徴収票など)を提出する必要があるのでハードルが高くなる印象がありますが、実際にお金を借りている人からすれば特別そうでもなうようですね。
残りの8割の分布はそれほど離れておらず、借入額が10万円以下~100万円以下までだいたいすべて20%ほどと美しいと言えるほどキレイにわかれています。
借り入れの理由
こちらも気になる!という方が多いかもしれません、なぜカードローンを利用しようと思ったのか、その理由もアンケートが取られています。
この項目に関しては複数回答が可能ということもあり、すべてをご紹介しますと非常に長くなってしまうため、トップ5のみまとめました。
趣味・娯楽費(レジャーや旅行を含む) | 47.6% |
---|---|
食費 | 24.4% |
外食などの遊興費 | 16.6% |
家賃の支払い (住宅ローンの返済を除く) |
14.6% |
自動車の購入費 (車検整備費用等を含む) |
13.4% |
使いみちに関しては大体想像通りではないでしょうか。趣味や娯楽への投資が約半分と圧倒的な割合を占めています。
個人的には家賃の支払いや自動車整備費がここまで上位とは思っておらず驚きましたが、結構多いんですね。
他には医療費(13.1%)や水道・光熱費(9.9%)など切迫したものに借りたお金が使われることも。
借りたお金のつかいみちとしてイメージしやすいギャンブル費用は意外にも?7.7%にとどまっています。
借入申込状況及び結果
この項目も、これからお金を借りようかな…?と思っている方にとっては非常に気になる部分かと思います。
とはいえこれは新規申し込みではなく「再度の申し込み」に関してのもの。
すでに借り入れ経験がある方に対して、直近3年間であらたに借り入れを申し込んだか?という問いに対する回答がこちら。
新たな借入契約を申し込んだ | 12.2% |
---|---|
既存の借入枠を利用しようとした | 16.5% |
新たな申込みも既存の利用枠も利用していない | 71.3% |
28.7%が追加で借入を行い、さらにその中で12.2%の人が新規(追加で)借入をした、つまり多重債務になったということがわかります。
また、7割を超える人がお金を借りたら返済のみ行い、追加での借入をしていないことがわかります。皆さん、借入には慎重なんですね。
さらに、新たな借入契約を申し込んだ12.2%の方々に対して申し込み結果(審査結果)はどうだったか?という問いもなされています。
その結果は以下の通り。
希望通りの金額で借入が出来た | 65.9% |
---|---|
借り入れできたが希望通りの金額ではなかった | 20.7% |
希望通りの金額ではなかったので、借入をやめた | 4.9% |
借入が出来なかった(審査落ち) | 8.5% |
希望した借入金額は人によって違うとはいえ、借入経験がある場合、借入自体が可能(審査自体は通過)であるのは9割という結果に。
加えて、希望通りの額で借入が出来たのは約66%と結構いい数字ではないかと思います。
消費者金融が発表しているデータから読み解く
これまではJICCや日本貸金業協会などの第三者機関が提供するデータから読み解いてきましたが、もうちょっとリアルな数字を知りたい!
…そんな場合は、消費者金融が発表している月次営業指標などをチェックしてみると、どのくらいの人数がその消費者金融を利用しているのか、新規契約はどのくらい行われているのかなどがわかります。
今回は大手消費者金融の「アコム」と「プロミス」の月次営業指標を参考として数字を見てみましょう。
「アコム」のマンスリーレポートから読み解く
「アコム」の企業情報サイトでは、「マンスリーレポート」として新規顧客の数や残高などを月次で開示しています。
今回はその中で「2019年3月」のデータをピックアップし、その情報を見てみたいと思います。
まずは現在、アコムがどのくらいのお金を貸しており、どのくらいの利用者数がいるのかというデータです。
営業債権残高 | 816,738百万円 |
---|---|
1口座あたりの貸付残高 | 531,000円 |
利用者数 | 1,538,022件 |
貸付残高については、単位が大きすぎてわからないくらいですね。
利用者数も百万人を超えていますので、その分残高も大きくなっていることは理解できますがそれにしても途方のない数字です。
そして、1口座あたりの貸付残高は約53万円と、皆さんそれなりの残高を抱えていることがわかります。
とはいえ、日本貸金業協会のデータも合わせて考えますと少ないながらもかなりの金額を借りている層が平均を押し上げている可能性は十分に考えられますね。
続いては新規申込件数、顧客数、そして新規貸付率について。
新規申込数 | 56,769件 |
---|---|
新規顧客数 | 25,363件 |
新規貸付率(成約率) | 44.7% |
新規申込数はその月に申し込みがあった数です。2019年の3月は新規の申し込みが約56,000件あり、その中で審査に可決及び契約まで至った新規の顧客は約25,000件。
これはあくまで新規の数字ですから、1ヶ月でこれだけの人が「アコムを利用しよう!」と考えて申し込んだわけです。
気になる新規貸付率(成約率)は44.7%。半分以上の人が審査に落ちているか、可決しても契約まで至らなかったことがわかります。
消費者金融は審査が甘い!とよく言われていますが、44,7%でしたら特別甘い…というほどでもないような?という気がしますね。
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「プロミス」の月次データから読み解く
同じ大手消費者金融である「プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)」の月次営業指標から、アコムと同様に2019年3月のデータをチェックしてみましょう。項目も同様です。
営業債権残高 | 777,861百万円 |
---|---|
一顧客当たり残高 | 553,000円 |
利用者数 | 1,404,000人 |
利用者及び残高はアコムよりも少なめです。利用者が少ない分残高も比例して少なくなっていると考えられます。
注目したいのは1顧客あたりの残高。アコムとほとんど変わらない金額になっています!
他の消費者金融も調べたわけではありませんが、大体の1顧客(口座)の平均残高は50万円くらいと考えることができそうですね。
さらに、新規申込数なども比較してみましょう。
新規申込数 | 57,803件 |
---|---|
新規顧客数 | 24,772件 |
新規貸付率(成約率) | 42.9% |
こちらもアコムと比べて大きく変わることはありません。新規貸付率は42.9%と、アコムよりも2%ほど低くなっていますが、新規申込数はほぼ同じといってもよさそうです。
毎月6万人近くが申し込む…意外と利用者が多いとわかる
月によって変動はあるものの、毎月6万人近くが新規に申し込んでおり、さらにその中で審査に可決し、新規契約をしているのが2万5000人ほど。
そう考えますと、表には全く出していなくても、意外と消費者金融の利用者が多いことがおわかりいただけるのではないでしょうか。
実は10人に1人ほどが利用している!?そう考えるとかなり身近
2019年4月時点での日本の人口は約1.265億人。JICCの各種統計データによると現在残高があるのは約1,093.1万人。
単純な計算でも約11人に一人は消費者金融のカードローンを利用している可能性がある、と言えます。
さらに、カードローンの貸付条件を満たす基本の年齢となる20歳~69歳の人口は約7,927万人となります。
10人に一人はカードローンを利用している可能性があると考えると、実はとっても身近なものに思えてきませんか?
もちろん、無意味にお金を借りたり、お金を借りるだけで返さないような行為は褒められるものではありません。
しかし「お金を借りてみたいけど、誰も借りていなさそうだし…」という気持ちで二の足を踏んでいたのであれば、そんなに不安になることはないよ!と言いたいのです。
お金の借りすぎはダメですし、借りたのであればきっちりと返済する。それを守れればお金を借りることは決して「特別」ではありません。
利用するかどうか悩んでいるのであれば、「みんなも使ってるし」といった気楽な気持ちで一度試しに申し込んでみてもいいのではないでしょうか。