お金を借りる理由が明確なら!「目的ローン」の賢い使い方
もしあなたが「お金を借りたい!」と思っている場合、その理由・目的はなんでしょうか?
「給料日までにお金がたりなさそうだから生活費として借りたい」?それとも「子供が大学に受かったけれど一人暮らしをしなければならないから、そのための資金が必要」?
もしあなたがお金を必要とする理由が明確であるならば、カードローンやフリーローンよりも「目的ローン」を利用することをおすすめします。
それはなぜか?その大きな理由は「目的ローンの方が金利が低くなるから」です。
上手く使えばかなりお得な「目的ローン」。この記事にて詳しく解説していきます。
「目的ローン」とは?他のローンとの違い
そもそも「目的ローン」とは一体どのようなローンのことを指すのでしょうか?
そして、他のローン、カードローンとどのような違いがあるのでしょうか。
まずは基本の部分から解説していきましょう。
カードローンと目的ローンの違い
カードローンと目的ローンの違いについてまずは説明していきましょう。
…とはいえ、こちらの表を見ていただければだいたいの違いはおわかりいただけると思います。
項目 | カードローン | 目的ローン |
---|---|---|
資金使途 | 自由 (事業性資金は基本不可) |
特定の目的のみ |
金利 | 全体的に高め (1%台~18.0%) |
全体的に低め (1%台~10%未満が多い) |
追加借入 | 限度額の範囲で あれば可 |
基本不可 |
即日融資 | 消費者金融で あれば可 |
不可 |
借入理由の資料 | 不要 | 必要 |
カードローンの方が自由度が高く、目的ローンの方がいろいろと縛り(即日融資や資金使途)があるものの、その分金利が低いことがわかります。
これはどちらが優れているのか?というわけではなく、お金の借り方・使い方について自分に合ったほうを選択することが重要になるといえるでしょう。
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フリーローン・多目的ローンとの違いは?
カードローンと目的ローンの違いは明確なものですが、フリーローンと多目的ローンとの違いは?…となると、なかなかその違いがわからず難しい部分がありますよね。
そこで、今回は「住信SBIネット銀行」のフリーローン、多目的ローン、目的ローン(その中の教育ローン)を例に比較してみましょう。
資金使途で比較すると、その差がわかりやすい
まず、明確にその差が出やすいであろう「借りたお金の使いみち」です。
フリーローン | 多目的ローン | 目的ローン (教育ローン) |
---|---|---|
自由 (事業性資金は除く) |
引っ越し、旅行、 家具家電、ブライダル、 エステ、歯科治療など |
入学金や制服代、 教科書代など教育に関する費用 |
フリーローンはその名前の通り「フリー」、つまり自由にお金を借りられると言えます。
多目的ローンはフリーに近いながらもローンの借り換え、事業性資金などには利用できず、フリーローンよりも制約が強くなっていますね。
目的ローン(今回の場合は教育ローン)は完全にその目的に関するもののみに限定されています。
3ついずれもローンであり、カードローンと違い追加の借り入れなどは出来ないタイプではありますが、資金使途ではっきりと差が出ていることがわかります。
必要書類にも少し差がある
いずれもローン商品のため、必須の書類はいずれも提出する必要がありますが、それでも多少の差が出てきます。
それは「資金の使いみちが証明できる書類が必要かどうか」です。
フリーローン | 多目的ローン | 目的ローン (教育ローン) |
---|---|---|
不要 | 必要 | 必要 |
住信SBIネット銀行の場合は、フリーローンにおいては不要、それ以外の2つのローンにおいては必要となっています。
何かしらの「目的」がありお金を借りる場合は、それを裏付けるための書類が必要だということですね。
適用される金利は、制約が厳しいほど低い
そして最後に、金利で比較してみましょう。
フリーローン | 多目的ローン | 目的ローン (教育ローン) |
---|---|---|
3.775%~12.0% | 2.975%~4.975% | 1.775%~3.975% |
その差は明確!と言ってもよさそうですね。
お金の使いみちに関する書類が不要のフリーローンは、最低金利は低いものの最高金利は12.0%となかなか高めになっています。
多目的ローン、目的ローンはお金の使いみちがある程度制限されている点、お金の使いみちが証明できる書類が必要な点から、金利はかなり抑えられているのがわかりますね。
お金の使いみちが明確であれば「目的ローン」が一番オトク!
ここまで比較してきますと、お金の使いみちが明確であればあるほど「目的ローン」を利用するのが一番金利的にお得!ということがわかります。
「生活費などもろもろも含めてまとめてお金を借りたい」のであればフリーローンがベストですし、「結婚式の費用と、新婚旅行の旅費に使いたい」というのであれば多目的ローンがベスト…というように、お金の使いみちによって使い分けるのが賢い判断と言えそうです。
「目的ローン」ってどのような項目で使われることが多いの?
目的ローンと他のローン商品との違いは、先程のトピックにておわかりいただけたかと思います。
となると、次に出てくる疑問は「どのような項目が目的ローンとして採用されているのか?」ではないでしょうか。
いくら目的ローンが金利が低い商品とはいえ、自分のお金の使いみち、目的が「目的ローン」として商品となっていないのであれば意味がありませんよね。
そこでこのトピックでは、大体どのような項目が「目的ローン」として提供されているのかを調べてみました。
金融機関によっては「目的ローン」とならず、多目的ローンのひとつの項目として採用されていることもあります。
ご自身が使ってみたいと思うローンで調べていただくとより確実かと思います。
住宅ローン
目的ローンの代表格と言えばやはり「住宅ローン」になるでしょう。
新規で住宅・宅地を購入する際の購入資金や、新築や増改築の資金として利用することが出来ます。
中にはリフォーム費用も含めていい商品もありますね。
一番利用率が高いローンといっても過言ではないのが、この住宅ローンかと思います。
リフォームローン
住宅ローンに含まれることもありますが、リフォーム費用専用として利用できる目的ローンです。
住宅ローンとの違いは
- 適用できる範囲(リフォームローンはリフォームのみ)
- 利用限度額(1,000万円程度までのことが多い)
といったあたりでしょうか。
増改築やバリアフリーの工事、太陽光発電設備の設置資金、耐震・免震工事などのための費用として利用することが出来ます。
自動車ローン(マイカーローン)
こちらも住宅ローンと並んでおなじみといえるローンですね。
新車・中古車の購入資金をはじめ、バイク購入費、車検や修理の費用、カーナビなどの付属機器の購入費用、免許取得のための費用に利用することが可能な目的ローンです。
とはいえ、ほとんどの方が自動車購入資金として利用しているのではないでしょうか。
教育ローン
こちらも目的ローンの中ではメジャーな商品のひとつですね。
入学金・学費(授業料)をはじめとして、一人暮らしのための費用や制服代、教科書代、海外留学費用といった教育に関連する費用に対して利用することができる商品です。
アパート・マンションローン
このローンはアパートやマンションを買う費用として使えるというわけではなく、「オーナーとしてアパートやマンションを建設する場合に利用できるローン」です。
いわば賃貸住宅のオーナー向けですね。
金融機関によってはさらに細かくわかれており、自身の自宅と賃貸アパート一体のローン(賃貸用のマンションを建設し、一室を自身の自宅とするようなケースです)や、管理会社向けのローンなど様々です。
最近では資産運用として賃貸アパート経営なども多くなっていますので、現代的な目的ローンといえるかもしれません。
デンタルローン
最近は芸能人だけでなく、一般の人でも「美しい歯」というのは重要なポイントとなっています。
しかし審美歯科は保険適用外なため、かなりの費用がかかってしまいます。
そこをサポートするのがこの「デンタルローン」です。
インプラントやホワイトニングといった審美歯科関連の費用はもちろんのこと、歯列矯正といった保険適用の治療であっても利用することが可能なケースもあります。
ブライダルローン
ブライダルローンは、その名前の通り結婚式の費用をはじめ、新婚旅行の費用やドレスの購入あるいはレンタル費用など、結婚式・結婚に関する費用であれば利用できる目的ローンです。
最近では地味婚も増えていますが、それでも結婚式は何かとお金がかかるもの。
こういったローンがあると助かる方も多いのではないでしょうか。
ペットローン
新しい家族を迎えるための費用や、トリミング、ワクチンなどの健康維持のための費用として利用できる商品です。
目的ローンは各金融期間によって非常に個性が現れるのですが、ペットローンというのはちょっと珍しいかな、と感じますね。
旅行など、趣味に使えるローンも多くある!
実はまだまだ、細かく紹介すればキリがないくらい目的ローンはあります。
適用される金利こそそれぞれではあるのですが、とても細かく分類されていることもあります。
例えばイオン銀行の「女性が輝くためのローン」。これはいわゆる「自分磨き」のための費用として使えるローンです。
語学学校に行くための費用や、短期留学のための費用として使えるものですね。
「トラベルローン(旅行ローン)」は昔からある商品かな?と思います。旅行費用として使える目的ローンですね。
他にもフィギュアなど、いわゆる「サブカル」なアイテムの購入費用などに利用できる「サブカルローン」や、ロードバイクの購入・メンテナンスなどの費用に利用できる「ロードバイクローン」、カメラやレンズなどの費用に充てられる「カメラ・レンズローン」などもあります。
こういった細かい目的ローンは扱っている金融機関自体が少ないものの、探せばいろいろと面白い商品が出てきますので、いろいろ検索してみてはいかがでしょうか?
申し込む前に!目的ローンを使う際の注意点
ここまでで、「目的ローンはお金の使いみちなどの制約は厳しいものの、その分低金利で利用することができる」という大きなメリットがあることがわかりました。
とはいえ、デメリットがないわけではありません。
申し込む前に、目的ローンを利用するにあたって気をつけておきたいポイントについて、このトピックで解説していきたいと思います。
利用には必ず「見積書」などが必要になる
最初のトピックでも説明しました通り、目的ローンを利用する場合は明確な「その目的である理由」を証明する必要があります。
そのため、教育ローンであれば入学証明書など、マイカーローンであれば購入予定の車の見積書…といったものは必ず用意しておかなければなりません。
書類が用意できない・その目的以外の用途にも借りたお金を使いたいというのであれば目的ローン(多目的ローンも含む)ではなく「フリーローン」を利用することになります。
無担保と有担保のものがあるので注意
住宅ローンやマイカーローンの場合、基本は有担保ローンになりますが、それ以外のローンでも「有担保」となる場合があります。
無担保だと思っていたのに実は有担保だった、ということがないように、きちんと担保や保証人についてはチェックする必要があるといえるでしょう。
例えば「三井住友銀行」の教育ローンの場合、無担保型と有担保型があり、以下のように違います。
項目 | 無担保型 | 有担保型 |
---|---|---|
借入利率 | 3.475% | 2.975% |
借入金額 | 10万円~300万円以内 (1万円きざみ) |
50万円~3,000万円以内 (10万円きざみ) |
借入期間 | 1年~10年以内 (1ヵ月きざみ) |
1年~30年以内 (1ヵ月きざみ) |
申込方法 | ・インターネット ・ローン契約機 ・店頭 |
・店頭 |
保証会社 | SMBCコンシューマー ファイナンス株式会社 |
SMBC信用保証株式会社 |
当然ではありますが、有担保型の方が借入金額が大幅にアップしています。
この場合の担保とは不動産です。いくらお金を多く借りられるとはいえ、不動産を担保とするのはいくばくかのリスクがあります。
本当に必要な場合はやむなしかもしれませんが、そうでにあ場合は安易に有担保ローンを利用しない方がリスクが抑えられるかと思います。
すぐに審査の結果が出るわけではない
ローン商品はカードローンと違い、審査の結果が出るのがそう早いわけではありません。
まずは仮審査を受け、本審査に入るタイミングで必要書類などを提出し、その後審査に可決すれば契約、契約が完了して初めて利用できるようになります。
この流れ自体はカードローンも同じなのですが、カードローンに比べて必要書類も多く、動く金額も大きくなりがちなため、どうしても時間がかかってしまいます。
とはいえ最近ではインターネット上ですべて手続きが進められるようになっている商品も非常に増えていますので、忙しい方でもできるだけスムーズに手続きを進められるのではないかと思いますね。
もし住宅ローンを利用しているなら、金利優遇を受けられるかも!?
もしあなたが今住宅ローンを利用している場合、その金融機関で目的ローンを契約すれば、優遇された金利で利用できる可能性があります。
「住信SBIネット銀行」の場合、以下のそれぞれの条件に応じて金利が優遇されます。
・SBI証券口座保有登録済である ・住信SBIネット銀行のカードローンを契約している |
基準金利より-0.5% |
---|---|
住信SBIネット銀行の住宅ローンの残高がある | 基準金利より-1.0% |
また、「りそな銀行」では、りそな銀行で住宅ローンを利用している方がマイカーローンも利用する場合、店頭表示金利から「-2.575%」と大幅な優遇をしてくれます。
執筆当時の金利は「4.475%」ですから、「1.900%」で利用できることになります。これはかなりお得ですよね。
このように、住宅ローンを利用している金融機関であれば、金利の優遇を受けられる可能性は非常に高いので、お得に借りるならまとめて同じ金融機関にしてしまうというのも手です。
できるだけ負担を減らす!賢く返済する方法は?
目的ローンを利用することが出来ても、それで終わりではありません。
「借りている」わけですから、きちんと返済、完済してこそ「終わり」になります。
できるだけ返済の負担を少なくするためには「賢い返済」をすることが第一。
特別なことは必要なく、賢く返済する方法をご紹介します。
上手く利用したいのは「繰り上げ返済」!
ローンで上手に利用したいのは「繰り上げ返済」です。
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、自分の好きなタイミングで好きな金額を追加で返済することで「追加返済」「随時返済」といった呼び方をすることもあります。
繰り上げ返済の利点は
- 元金を直接減らすことができる
- それに伴う利息も少なくできる
という2点です。
繰り上げ返済は直接元金、例えば300万円借りていて、繰り上げ返済を20万円行った場合、その20万円は利息に充てられることなく直接の残高に充てられるため、280万円まで一気に借り入れを減らすことが出来ます。
それに伴って、利息額も減少します。
カードローンに比べて金利こそ低いものの、借り入れ金額が大きいと返済期間も長くなり、支払う利息額も多くなってしまいます。
ムリをしてまで返済を、ということはありませんが、余裕があるのなら繰り上げ返済をしていく方が賢いと言えますね。
中には「ボーナスのときだけ返済額を増額できる」ことも
取り扱っている金融機関や商品によるものの、例えばイオン銀行の目的ローンであれば返済方法のオプションとして「6ヶ月毎の増額返済」が利用可能となっています。
いわゆるボーナスの時に上乗せして返済、という形ですね。
借入金額の50%を上限としていますので、その範囲内であれば好きな金額を上乗せして自動的に返済額をアップさせることが出来ます。
いつもは出来ない、だけどボーナス時期ならプラスして返済できる…という方は、このような形での返済もよさそうですね。
探せば様々な目的ローンが!あなたに合ったものもあるかも?
目的ローンといっても、イメージが強いのはやはり「住宅ローン」や「自動車ローン」ですから、「自分の目的にあったローンはないかも…」とつい思ってしまいがちです。
しかし目的ローンの方が制約がある分フリーローンや多目的ローンに比べて適用される金利が低いですから、「その目的のためにしかお金を借りる気はない!」というのであれば、自分の目的に合ったローンを探すことをおすすめします。
あまりにもニッチなものはないかもしれませんが、旅行・カメラ・自転車・ダイビングなど一般的な趣味のものであればその数こそ少ないものの利用できる可能性があります。
お金を借りるのであれば、賢く借りて賢く返したいもの。あなたに合った目的ローンを一度探してみてはいかがでしょうか。