複数の借入をひとつに管理!「おまとめローン」の上手な使い方
気軽にお金を借りることが出来るという意味では本当に便利なカードローン。
しかし、「お金が足りなくなったから」と色んなところから借りていたら、いつの間にか「自分はどんだけ借りているんだろう?」「毎月どれだけ返済してるのかわからない!」「このままじゃいつ返済が終わるかわからない…」といった状況に陥ってしまうことも。
そんな時に、今自分の借り入れを明確に出来る方法があります。
それこそが「おまとめローン」!
おまとめローンの利用は、自分の借り入れを改めて見直し、よりお得に返済することが出来るチャンスでもあります。
ですが「結局おまとめローンって本当に得になるの?」「どういったメリットがあるのかイマイチわからない」といった疑問を持つ方がいるのも事実。
そこで今回は、うまく使えばお得になる「おまとめローン」について解説したいと思います!
おまとめローンって何?普通のカードローン・フリーローンとの違い
「おまとめローン」という名称からも、借りているお金をまとめる商品であることはなんとなくでも推測出来るかと思います。
具体的に、おまとめローンとはどういった内容の商品なのかをまずはご説明しましょう!
複数の借り入れを一本化するローンのこと
「おまとめローン」とは、複数の借り入れを一本化するローンのことを言います。
中には車のローンなどもまとめて一本化出来る商品もあるようですが、基本的には個人への少額融資、つまり「カードローン」を一本化するのに使われます。
おまとめローンは「まとめる」のが目的
フリーローンやカードローンと違い、おまとめローンは「まとめる(借り換え)」が目的です。
そのため、現在カードローンで借り入れをしていない人はおまとめローンを利用することは当然出来ません。
消費者金融のカードローンと銀行カードローンを利用していてふとつにまとめたい…という方は利用することが出来ます。
カードローンやフリーローンでも同じことが出来るのでは?
わざわざおまとめローンを利用しなくても、カードローンやフリーローンでも同じことが出来るんじゃないの?と思われた方もいると思います。
確かにそれは正解で、おまとめローンを利用せずに自分の意志で別途カードローンやフリーローンを契約して実質借り換えをする、なんてことは可能です。
しかし、おまとめローンは「複数の借り入れを一本化する」ことを前提とした商品のため、すでに他の借り入れがあることが当たり前で、審査でもその点は考慮されます。
対してカードローンやフリーローンは複数の借り入れを一本化することが前提とされていない商品ですから、単純に他に借り入れが複数あるといった面だけが審査で考慮されます。
さらに、消費者金融のカードローンの場合は「総量規制」という仕組みによって、年収の3分の1を超える額を借りることは出来ません。
そのためすでに借り入れている金額によっては、借り換え出来るほどの金額を借りることが出来ない可能性もあるんです。
総量規制の対象外である銀行カードローンであっても、すでに複数の借り入れがあるのであれば、そんなに高い限度額で審査を通さない可能性も十分に考えられます。
なので同じことをカードローンやフリーローンで行うこと自体は「可能」ですが、おまとめローンに比べるとリスクが高いと言えるでしょう。
おまとめローンなら3分の1を超えても問題なし!
さらに、おまとめローンであれば借り換えのタイミングで借入額が年収の3分の1を超えてしまっても法律上問題ないんです。
なので「おまとめしたいけど、そうしたら総量規制に引っかかってしまう…」と心配する必要はありません。
一本化でスッキリ!おまとめローンを利用する際のメリット
仮に借り換えやおまとめをするのであれば、きちんと専用の商品である「おまとめローン」を利用する方がいい、というのは納得できたのではないでしょうか。
続いては、おまとめローンを利用する際に受けられるメリットについてご紹介しましょう。
やはり、メリットが多くないと「利用しようかな」なんて気にはなりませんからね!
毎月の返済額を抑えることが出来る
1つ目のメリットは「毎月の返済額を抑えることが出来る」ことです。
例えば3社からお金を借りており、A社には毎月1万円、B社には毎月2万円、C社には毎月1万5千円返済していた場合、1ヶ月の総返済額は4万円になります。これは結構な負担ですよね。
しかしおまとめをすればその返済額が2万5千円まで抑えられる…という場合、毎月の負担がぐっと下がります。
返済を踏み倒す気は全くないけれど、毎月の返済が負担になっている…という方はおまとめをすることで負担をさげつつ、きちんと返済を続けることが可能になります。
金利が今までよりも低くなる可能性がある
金利は法律で「○円以上借り入れしているときは、○%を超えてはならない」と決まっています。これを法定金利と言いますが、以下のように借入限度額によって3段階にわかれているんです。
10万円未満 | 10万円~100万円未満 | 100万円以上 |
---|---|---|
20.0% | 18.0% | 15.0% |
消費者金融のカードローンを利用している場合、だいたいの方が18.0%でお金を借りていると思います。
しかしそれをひとつにまとめることで借入額が100万円以上になると、15.0%より低い金利で借り換えが可能になり、返済総額が少なくなる場合があるんです。
ただし、3社からお金を20万円ずつ借りている場合など合計しても100万円を超えない場合は、いくらおまとめをしても金利が下がらないこともあります。
そのときは上限金利が低いおまとめローンを利用することで総返済額をへらすことが出来るでしょう。
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返済日の管理がぐっと楽になる
複数の借り入れがあると、返済日を管理するのも大変です。
最初はなんとかなっても、そのうち「○日のはどこの返済だっけ?いくらだっけ?」と混乱してしまったり、返済日が近づくとうんざりしてしまうなんてことも。
そこでおまとめローンで一本化すれば、当然返済日は1つになるので返済の管理がしやすくなります。
ゆっくりしすぎもダメ?おまとめローンの注意点
おまとめローンはメリットも多いですが、注意すべきポイントもいくつかあります。
利用する前に、おまとめローンを選ぶ段階で注意点を知っておくのと知らないのでは大きな差が出てしまう可能性もありますので、しっかりと注意点を知って、損をしない借り換え先を見つけることが大切です!
返済期間が長くなると総支払額が増えることがある
借り入れをひとつにまとめることで、毎月の返済額を抑えることが出来るのは大きなメリットです。
しかし、借り入れの総額自体は変わらないため、返済期間は当然長くなります。
金利が下がっているとはいえ、返済期間が長くなることで最終的に返済する総額がおまとめ前よりも多くなってしまう可能性があります。
返済総額を少しでも減らしたいのであれば、追加返済をこまめに行う、ある程度のめどがついたら残りを一括返済するなどの工夫をすることで、普段は控えめの返済額でも支払う利息額を抑えることが出来るでしょう。
すでに低金利のカードローンは逆に金利が上がることも
例えば今利用しているカードローンの金利が10%程度などのかなりの低金利商品である場合、まとめることで逆に金利が上がってしまうケースがあります。
おまとめローンにもよりますが、自分がまとめたい借り入れだけをまとめることも出来ますので、低金利のカードローンは残して、それ以外の金利が高めのカードローンだけをまとめるようにし、現在より高い金利のおまとめにはしないようにしましょう。
基本は返済専用!追加の借り入れは出来ないと考えて
おまとめローンはカードローンと違い、基本は返済専用のローンです。
そのため、途中で「お金を借りたいな」と思ってもおまとめローンで追加の借り入れをすることは出来ません。
ただおまとめローンでまとめた後、別にカードローンを契約してお金を借りることは問題なく可能ですので、もし借りる必要性が出てきた場合は、できるだけ低金利の商品を選んで返済の負担にならないようにしたいですね。
金利が低めなおまとめローンをいくつか紹介
最後のこちらのトピックでは、数あるおまとめローンの中から、借り換えを行った際に低金利であろうと思える商品を3つピックアップしてご紹介したいと思います。
金利が低い商品はどうしても条件が厳しくなりがちですので、今回ご紹介しているものもそういった傾向が強いものとなっていますが、参考になればと思います。
東京スター銀行の「おまとめローン(スターワン乗り換えローン)」
1つ目の商品は「東京スター銀行」の「おまとめローン(スターワン乗り換えローン)」です。
貸付条件に年収及び雇用形態が含まれていますが、最高で1,000万円まで借り換えをすることが出来、金利も12.5%と借り換え前に比べると低金利になるのではないでしょうか。
貸付条件 | ・申し込み時の年齢が満20歳以上65歳未満の方 ・給与所得者の方(正社員・契約社員・派遣社員) ・年収200万円以上の方 ・保証会社(株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンス) の保証が受けられる方 |
---|---|
借入可能額 | 30万円以上1,000万円以下(1万円単位) |
借り入れ利率 | 12.5% |
返済期間 | 10年 |
使いみち | 個人向け無担保ローンの借り換え及びまとめ ※東京スター銀行の個人向けローンの借り換え不可 |
担保・保証人 | 不要(株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンスが保証) |
北陸ろうきんの「おまとめ名人」
2つ目の商品は北陸ろうきん(労働金庫)の「おまとめ名人」です。
ろうきんは働くひとのための互助組合のようなもので、基本は出資している労働組合員(あるいはその家族)が対象となりますが、労働組合に入っていなくても勤労者(働いている人)であれば利用することが可能です。
ろうきんは地域によってわかれており、地方銀行や信用金庫のように該当する地域に居住、あるいはその地域にある事業所に勤務していないと利用することが出来ません。
なので北陸ろうきんの場合は北陸地域(福井・石川・富山)の方しか利用できないというわけです。
ろうきんはカードローンなども金利が非常に低いのですが、おまとめローンについても同様です。
別途保証料が必要ではあるものの、金利は6.50%とかなりの低さ!
かなり返済の負担を和らげることが出来るのではないでしょうか。
貸付条件も収入に関しては必要なく、勤続年数が組み込まれています。どちらも安定して収入があることが条件ということですね。
貸付条件 | ・勤続年数が1年以上 ・最終返済時の年齢が満76歳未満 |
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借入可能額 | 500万円以内 |
借り入れ利率 | 6.50% ※別途保証料年1.2%が必要 |
返済期間 | 10年 |
使いみち | 他金融機関ローンのおまとめ |
担保・保証人 | 不要(ろうきん指定の保証機関が保証) |
ろうきんはそれぞれの地域によって商品内容が違うため、お住まいの地域でのろうきんでは扱っていなかったり、商品名が違うことがあります。
商品が気になる!という方は、ぜひ地域のろうきんホームページなどを参照してみてくださいね。
第三銀行の「さんぎん おまとめ上手」
もうひとつは地方銀行から、三重県をメインの営業エリアとしている「第三銀行」の「さんぎん おまとめ上手」です。
こちらの商品の特徴として、一般的なおまとめローンとして利用できる証書貸付タイプとカードローンタイプの2種類がありますが、今回は目的がおまとめである証書貸付タイプをご紹介しています。
貸付条件は「東京スター銀行」に近い印象ですね。給与所得者であることが条件ですので、自営業や個人事業主の方は利用が出来ません。
貸付条件 | ・申込時の年齢が満20歳以上60歳未満で 完済時の年齢が満65歳以下の方 ・勤続年数2年以上で前年度年収が300万円以上の給与所得者の方 ・第三銀行の営業区域内に居住または勤務されている方 ・保証会社であるオリックス・クレジット株式会社の保証が得られる方 |
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借入可能額 | 10万円以上500万円以内(1万円単位) |
借り入れ利率 | 9.8%・12.8%・14.8%のいずれか ※審査により決定されます。 |
返済期間 | 6ヶ月以上10年以内(1ヶ月単位) |
使いみち | 申込者本人の銀行・信販会社・消費者金融などからの 無担保個人ローンなどの借り換え |
担保・保証人 | 不要(オリックス・クレジット株式会社が保証) |
金利は3種類から審査の結果によって決定される形になっており、9.8%や12.8%でしたら納得の低金利ですが、14.8%ですと銀行カードローンと同じくらいなので、消費者金融カードローンからの借り換え・おまとめでないと金利引き下げの恩恵を受けづらいかもしれません。
消費者金融系のおまとめローンは金利が高め
こういった銀行だけでなく、消費者金融にもおまとめローンを行っているところも多いです。
ただどうしても金利が高くなりがちなので、はっきりと金利が下がる可能性がある(15%以下になるなど)場合以外は金利の変動により逆に高くなるリスクもありますので、気をつけたいところですね。
限度額 | 金利 | |
---|---|---|
アイフル(かりかえMAX) | 800万円まで | 3.0%~17.5% |
アイフル(おまとめMAX) | 800万円まで | 3.0%~17.5% |
プロミス(おまとめローン) | 300万円まで | 6.3%~17.8% |
アコム(借換え専用ローン) | 300万円まで | 7.7%~18.0% |
低金利のおまとめローンを探すなら地元密着型がいい?
メガバンクなどの大きな規模の銀行ですと、おまとめローンを商品として提供していないところが多いです。
なので、より低金利のおまとめローンを探すのであれば地方銀行や信用金庫といった、地元密着型の金融機関でおまとめローンを探す方がいいと言えるでしょう。
ただ、それぞれで金利や条件などが細かく変わってきますので、しっかりと比較して自分の条件に合うか、自分が使いやすいかを見極める必要がありそうです。
ギュッと借金を圧縮出来る可能性アリ!ただし計画性も必要
おまとめローンは上手に使うことで、借りたお金の管理がしやすくなったり、これまでよりも金利が下がったり、返済総額をへらすことが出来たり…と多くのメリットを受けることが出来ます。
特に利息は1円でも減らしたいものですから、返済総額がぎゅっと圧縮出来るのであれば使わない手はない!と言えるでしょう。
ただしどんなおまとめローンでもいいというわけではなく、貸付条件であったり金利などをきちんとチェックしておかないと、借りる前よりも返済総額が大きくなってしまった、なんて可能性もあります。
また、おまとめローンにしたからといってこれまでの返済がなくなるわけではありません。
計画的に、より負担を少なく返済を完了させるために上手に「おまとめローン」を利用しましょう!