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年金受給者だけどお金を借りたい!消費者金融以外の借り先はあるの?

昔は「人生50年」と言われていましたが、今や「人生80年」「人生100年」と言わるようになるくらい、長生きできるようになりました。

これまでは60歳でリタイアするのが当たり前でしたが、今は60歳でもバリバリ働いている方も多いですね。

とはいえ、70もすぎれば年金でゆっくり過ごす…という方も多いでしょう。

しかし仕事をやめて年金ぐらしになってしまうと、たまにお金が足りないことも。

そんな時にカードローンでお金を借りることができればいいのですが、年金受給者ではなかなか利用できないこともあります。

そこで今回は、年金受給者でも利用できる借入について調べてまとめました。消費者金融で借りられなくても大丈夫ですよ!

年金受給者が利用できるカードローンはある?

やはりいちばんお手軽な借り先と言えば「カードローン」かと思います。

とはいえ、年金受給者が利用できるカードローンはあるのか…?そこが疑問ですよね。

大手消費者金融のカードローンは利用が難しい

大手消費者金融のカードローンの場合、年金受給をしていても他に収入源(アルバイトでも問題ありません)があれば、申込みをすることが可能です。

しかし年金受給のみでは収入とみなされず、利用条件を満たしていないと判断されることが多いため、基本的には大手消費者金融のカードローン(プロミスアイフルアコムなど)は年金以外にも別の安定した収入がないと利用できない、と思っておけばいいでしょう。

規模が小さいところであれば利用できるところもあるとは思いますが、利便性には欠けてしまいますね。

銀行系カードローンであれば年金収入のみでもOKなところが多い

銀行系のカードローンであれば、年金収入のみでも問題なく利用できるカードローンが多いです。

なので、今は年金収入しかないけれどお金が必要という方は、大手消費者金融よりは銀行系のカードローンの利用を考えた方がいいでしょう。

金利も大手消費者金融に比べて3%ほど低くなり、だいたい14%~15%程度で借りることが可能です。

一部の信用金庫で年金受給者向けカードローンを出している

一部の信用金庫では、年金受給者を対象としたカードローン商品「シルバーきゃっする」を扱っています。

この商品は年金を受給していないと利用できないという条件になっており、他の一般向け商品に比べると利用限度額が少ないといった制限はあるものの、年金受給者でも利用しやすい商品になっています。

ただし、信用金庫は営業地域が限られているため、ご自身の住んでいる地域が営業エリアに該当する信用金庫でないと利用することが出来ません。

お近くの信用金庫がこの商品を扱っているか確認する必要があります。

【関連記事】

都市銀行・地方銀行・信用金庫…それぞれのカードローンの違いは?

全体的にカードローンは金利が高め

当然のこととも言えますが、カードローンは保証人も担保も不要なため、その分金利が高い設定になっています。

バリバリ働いている方であれば多少金利が高くても問題なく返済ができるでしょうが、年金受給のみで生活している方の場合、あまり金利が高いと返済が大変で大きな負担になってしまう可能性もあります。

国からお金を借りられれば、とっても低金利!

そこで提案させていただきたいのが、国からお金を借りるという手段です。

何かしらの事情でお金が必要な時、国であれば企業や金融機関から借りるよりも低金利で利用することが出来ますので、返済の負担も少なくなります。

現在、年金を受給している方を対象とした「年金受給権」を担保にしてお金を借りる方法は2つありますので、次のトピックからその2つの借入方法を詳しく説明していきたいと思います。

日本政策金融公庫の「恩給・共済年金担保融資」

国から年金を担保としてお金を借りる方法のひとつが「日本政策金融公庫(JFC)」の「恩給・共済年金担保融資」です。

日本政策金融公庫とは、政府(国)が100%出資している金融機関のことです。

基本は事業を立ち上げる方に対しての事業資金の融資や創業にあたってのセミナーなどを行っている会社です。

個人向けの融資を行っており、「恩給・共済年金担保融資」もそのひとつと言えますね。

どのような恩給・年金を受けているかで金利などが変わる

年金には様々な種類…国民年金、厚生年金、共済年金などがありますが、どのような年金を受給しているかで

  • そもそも利用ができるのか
  • どれくらいの金利で借りることができるのか

など、条件が変わってきます。

こちらの融資制度の場合、利用できる「2つのパターン」がありますので、それぞれのパターンについて個別に解説していきましょう。

より簡単な条件かつ低金利で利用できるケース

1つ目のケースは、2つ目のケースに比べて「条件がシンプルで、かつ低金利で利用できる」ケースとなっています。

資金使途住宅などの資金、事業資金などに利用可能

利用可能な方 恩給または災害補償年金を受けており、
この融資制度(恩給・共済年金担保融資)を
利用したことがない方
融資限度額 250万円まで
(担保とする年金の年額の3年分以内)
金利 年0.36%

現状恩給または災害補償年金を受けている方で、この制度を利用したことがない方であれば、それらを担保に最高で250万円までの借入が可能です。

ただし、担保とする年金の年額の3年分以内がさらに制限としてつきます。

例えば年額が80万円の場合は240万円が上限となるわけですね。

既に利用したことがある方、1のケースに該当しない方向け

先程のケースに該当しない方は、こちらの利用条件に該当しているかをチェックしてみてください。

資金使途住宅などの資金、事業資金などに利用可能

利用可能な方 共済年金、厚生年金(共済組合が支給する厚生年金に限る)
などを受けていて、
恩給・共済年金担保融資を現在利用していない方
融資限度額 250万円まで。
(担保とする年金の年額の1.6年分以内)
また、資金の使いみちが
生活資金の場合は100万円まで
金利 年1.71%

共済年金及び厚生年金を受給している方が該当していますが、共済組合が支給するものに限られますので、利用できる方は少々限定されると言ってもいいでしょう。

また、この制度を現在利用していない方が条件となりますが、これまで利用があった方でも完済後であれば問題ありません。

さらに利用条件として、下記の条件に該当している方は利用ができませんのでご注意ください。

  • 生活保護受給中の方
  • 恩給・共済年金担保融資を利用中に生活保護を受給し、生活保護廃止後5年を経過していない方

借りられる限度額については250万円までと同じものの、年額の1.6倍年分以内となっています。先程の例を使いますと、年額80万円の場合は128万円が上限となるわけですね。

さらに、生活資金としてお金を借りる場合は100万円が上限となっており、条件や限度額が少々厳し目となっているのが特徴です。

返済は定額返済。返済額を差し引いて年金が振り込まれる

カードローンなどの返済では、毎月口座振替やATMなどで「必要な返済額を振り込む(または引き落とす)」という形で返済を行っていますが、「恩給・共済年金担保融資」の場合は違います。

まずは日本政策金融公庫が年金を利用者の代わりに受け取り、返済額を差し引いた分を指定した口座に振り込む形になっています。

会社員の方がお給料をもらうときに、保険料などが差し引かれて振り込まれますよね。それと同じで、いわゆる「天引き」方式での返済となるんです。

なので返済が遅れる・つい忘れてしまうということがないメリットがあると思っていただければいいでしょう。

申し込みは全国にある日本政策金融公庫支店へ

申し込みやこちらの制度についての相談は日本政策金融公庫の支店にて受け付けています。

実は日本政策金融公庫は全国に支店があり、必ず1つ、場所によっては5つ以上の支店がある地域もあります。

一般的なカードローンなどのようにインターネットや電話から申し込むことは出来ませんが、システム上年金を預ける形になりますから、しっかりとシステムを理解して利用するかどうか判断するためにも、支店に出向く形の方が安心できるのではないかと思います。

福祉医療機構の「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」

もうひとつの年金を担保として利用できる借入は、「独立行政法人 福祉医療機構」の「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」です。

基本の形は「恩給・共済年金担保融資」と大きな違いはありませんが、対応している年金など細かく違いがあります。

また、この事業は平成34年3月末の予定で新規の申し込み受付を停止することが決定されています。

代替措置が用意されるとのことですが、利用を考えている方は上記期間内に申し込むことをおすすめします。

利用できる方の条件

「年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業」を利用できる方の条件は非常にシンプルで、「特定の年金証書を保有し、かつその年金を受給している方」が対象となります。

対応している年金は

  • 国民年金・厚生年金保険証書
  • 国民年金証書
  • 厚生年金保険証書
  • 船員保険年金証書
  • 労働者災害補償保険年金証書

です。

ただし上記の中で対象とならないものもあり、

  • 厚生年金基金、国民年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金から支払われる年金
  • 老齢福祉年金、特別障害給付金
  • 石綿健康被害救済法に基づく特別遺族年金

以上の年金につきましては、残念ながら融資の対象になりません。

また、連帯保証人(審査基準あり)が必要となりますので注意が必要です。

連帯保証人が用意出来ないという方は、保証料を別途支払って信用保証制度を利用するという手もあります。

お金の使いみちはある程度限定されている

融資してもらったお金には「使いみち」が必要となります。

カードローンでは問題ないとされている「生活資金」や、「旅行資金」としての使い方は出来ないというわけですね。

ではどのような使いみちならOKなのか?といいますと、その範囲は幅広く、以下のようになっています。

保健・医療 ・疾病の予防に必要な経費(検査費など)
・負傷及び疾病の療養に必要な経費(入院費・診療費・手術費など)
・出産に必要な経費
・その他、保健・医療に必要な経費
介護・福祉 ・介護・福祉に係るサービスの利用に必要な経費
(介護施設の利用費用など)
・介護・福祉に係る物品の購入に必要な経費
・その他、介護・福祉に必要な経費
住宅改修等 ・住宅の改修等に必要な経費
・住宅や土地の購入に必要な経費
・住居の引越しに必要な経費
教育 ・入学金、授業料
・受験にかかる費用
・学習教材費
・資格取得費
・生涯学習費など
冠婚葬祭 ・冠婚葬祭にかかる費用
・冠婚葬祭にかかる移動費
・墓地や墓石の費用など
事業維持 ・事業に係る運転資金(資材・原材料仕入費など)
・店舗、作業場等の内外装工事費(補修・改装工事など)
事業用設備・備品の購入や維持費など
債務等の
一括整理
・消費者金融などからの借り換え
・滞納している家賃や光熱費の支払いなど
生活必需
物品の購入
・自動車の購入費など(修理代・車検代を含む)
・家電製品の購入費
・家具、寝具の購入費

具体的に「この目的のためにお金が必要」ということであれば、問題なく利用できるかと思います。

借入可能な金額と金利

そこで気になるのが利用限度額や金利ですよね。

受けられる融資額は、以下の3つの要件を満たす範囲内の額と定められています。

  • 10万円~200万円の範囲内(1万円単位、資金使途が「生活必需物品の購入」の場合80万円まで)
  • 受給している年金の0.8倍以内(年額。所得税額に相当する額は除きます)
  • 1回あたりの定額返済額の15倍以内

自分がどれくらいまで借りられるかわからないという方は、福祉医療機構のホームページにて試算が可能となっています。

例えば年額が80万円の場合、60万円までの借入が可能なようですね。

金利は年金か労災年金かで以下のように労災年金担保貸付の方が0.7%低くなっています。

年金担保貸付 労災年金担保貸付
年2.8% 年2.1%

それでも十分…といいますか、かなり低金利なのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

返済方法は天引き

返済方法は「恩給・共済年金担保融資」と同様、先に独立行政法人福祉医療機構が年金支給機関から年金を受取り、定額返済額を引いた分を預金口座に振り込む形となります。

なので返済が出来ない、返済が遅れる…といったことを心配する必要はありません。

毎月の返済額=定額返済額はご自身で決めることが可能ですが、だいたい2年6ヶ月程度で元金が完済できる程度が想定されています。

下限は1万円で、1万円単位で増減出来ます。上限は1回あたりの年金支給額の3分の1以下となりますので、ご自身の生活の負担にならない程度にしておきましょう。

また、返済は「偶数月」に行われます(奇数月に年金の支給がある場合は返済に充てられません)。

偶数月に年金の支給が行われなかった場合、返済は1回休みとなり次回に2回分の返済をすることもありません(1回分のみ)ので、返済期間が延びることになります。

申込みに必要な書類

借入の申し込みに必要な書類などは全部で7つあります。

すべて用意しなければ申し込みをすることが出来ませんので、少々大変かもしれませんが揃える必要があります。

借入申込書
(年金担保)
取扱金融機関にて用意されています。
申込金額に応じて、印紙税法で定められた収入印紙が
必要になります。
年金証書 年金の受給権が担保となるため、年金証書を
申込みの際に預ける必要があります。
現在の年金支給額を
証明する書類
いずれか1つ、最も新しいものが必要です。

■国民年金・厚生年金保険
・年金振込通知書 ・年金額改定通知書
・年金決定通知書 ・年金決定通知書・支給額変更通知書
・国民年金(基礎年金)の支払いに関する通知書
・年金送金通知書
・年金支払通知書

■労働者災害補償保険
・年金等振込通知書または年金等送金通知書
・支給決定通知書 ・変更決定通知書
・スライド等による変更決定通知書

実印および
印鑑登録証明書
発行後3か月以内のものに限ります
本人確認書類 以下の写真付き証明書のうち1点が必要。
申込者の名前及び住所について、
「現在の年金支給額を証明する書類」、「印鑑登録証明書」、
「本人確認書類」の3点が一致していることを確認します。・運転免許証(運転経歴証明書を含む)
・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
・外国人登録証明書、在留カード、特別永住者証明書
・個人番号カード(マイナンバーカード)
・住民基本台帳カード
・パスポート
資金使途の
確認資料
具体的な使いみちや、必要な金額がわかる資料です。
借入申し込み額が10万円の場合、確認資料は不要です。例えば保健・医療であれば入院にかかった領収書などです。
保証人 連帯保証人または保証制度の利用が必要です。

■連帯保証人を立てる場合
・連帯保証人の実印及び印鑑登録証明書
(発行後3か月以内のもの)
・連帯保証人の本人確認書類
・借入申込者との続柄がわかる書類(住民票など)
・収入を証する書類(所得税源泉徴収票、確定申告書など)
※連帯保証人については、独立行政法人福祉医療機構の
審査基準を満たす方のみです。
※申込みの際には、連帯保証人となる方も
借入申込者と一緒に来店する必要があります。

■信用保証制度を利用する場合
・信用保証制度申込書類

取扱金融機関に設置されています。

申し込みから利用までの流れ

年金担保融資を申し込むには、まず「独立行政法人福祉医療機構代理店」を探す必要があります。

代理店とは金融機関のことで、都市銀行から地方銀行まで多くの金融機関が代理店となっていますので、「家の近くに代理店がない!」…ということはまずないでしょう。

ただし、ゆうちょ銀行や労働金庫など、一部の金融機関は年員担保融資の取扱を行っていませんのでご注意ください。

念の為確認したい!という方は、福祉医療機構のホームページに代理店一覧が掲載されていますので、そちらをチェックしてみてくださいね。

申し込みから利用までの流れについては、特別難しいことはありません。

ただ、カードローンなどと違いネット上での申込みは出来ず、必ず店頭まで行かなければならないことについてデメリットだと感じられる方もいるかもしれませんね。

相談 独立行政法人福祉医療機構年金貸付課、
または取扱金融機関に申し込みの相談をします。
申し込み 取扱金融機関にて申し込みを行います。
その際、年金受取り先口座がその金融機関ではなかった場合、
受取先の口座を変更しなければなりません。(例えば年金受取り口座をA銀行としていたが、
B銀行で申し込みを行う場合は受け取り口座を
B銀行に変更する必要があります)
審査 申し込みから融資が実行されるまでの期間は
だいたい4~5週間ほどになります。
融資決定 審査に可決すれば、融資決定となります。
審査結果や融資実行日については、取扱金融機関より
本人あてに電話にて連絡が行われます。
融資実行 融資実行日に、指定された預金口座へ振り込まれます。

こちらは最初の「相談」と「申込み手続き」を行うのみで、あとはこちらから何かすることはありません。

なのでアクションとしては非常にシンプルでわかりやすいものになっていると言えるのではないでしょうか。

資金使途が固まっているなら国からの融資を考えてみよう!

もしあなたがお金を必要としている理由が医療費や引っ越しのための費用など明確なものなのであれば、国からお金を借りることは十分に可能だと言えます。

カードローンは年齢条件などもありますが、国からの融資であれば「該当する年金を受給していればOK」なので、利用条件という面で比較しても悪くないでしょう。

ただし、カードローンに比べると融資を受けられるまでの期間はどうしても長くなりますので、緊急には向きません。

緊急でお金が必要ということであれば、とりあえずカードローンを利用して、借り換えのために国からの融資を利用する…というのも手でしょう。

独立行政法人福祉医療機構の方は、申込みができるのはあと数年となっていますので、利用を考えている方は早めに決断したほうがいいかもしれませんね。

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