実は残高が残ってる!?カードローン返済における端数の扱いを知ろう
カードローンなどでお金を借りると不思議と出てくるもの、それが「端数」です。
毎月ATMで返済をしている方であれば「端数がなかなか返済できないな」と思ったこともあるのではないでしょうか?
どうしても出てくる1,000円以下の端数、カードローン会社はどのように扱っているのか気になりませんか?
どうして端数が出るのか、そこに利息はかかってしまうのかなど、一度気になりだしたら色々と気になるポイントが…!
そこで今回は、カードローンの返済における「端数の扱い」について調べてみました。
あなたの借入も「完済した」と思っていても、実は端数が残ってる!なんてことがあるかもしれませんよ。
どうして借りたお金に端数が発生するの?その理由
そもそも、わたしたちがお金を借りる際はその金額を細かく指定することはありませんよね。
「5万円」や「10万円」など5万円単位であったり、多少細かくても「12万円」や「27万円」など、1万円単位で細かくなるくらいで「12万5,230円借りたいです」なんて人はそういないと思います。
なのにどうして返済していく上で端数が出てきてしまうのでしょうか?
まずはそのミステリーを紐解いてみましょう!
端数が発生する理由は「金利」にある!
…といってもその回答は非常にシンプルで「金利がかかる」からです。
お金を借りると「利息」として、借りた金額(元本)に金利をかけた数字を日数で割るという「日割り計算」が使われています。
例えば10万円を18.0%の利息で10日間借りた場合は
という計算式になり、利息額は「493円」、返済総額は「100,493円」とバリバリの端数が出ていることがおわかりいただけるかと思います。
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実際どれだけ端数が出てる?具体例で見てみよう
「これはたまたま端数が出ただけじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんので、もう少し具体的な例も出してみましょう。
大手消費者金融「プロミス」において「10万円を12回で返済(金利17.8%)」した場合の毎月の返済の詳細です。
回数 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 9,158 | 7,675 | 1,483 | 92,325 |
2 | 9,158 | 7,789 | 1,369 | 84,536 |
3 | 9,158 | 7,905 | 1,253 | 76,631 |
4 | 9,158 | 8,022 | 1,136 | 68,609 |
5 | 9,158 | 8,141 | 1,017 | 60,468 |
6 | 9,158 | 8,262 | 896 | 52,206 |
7 | 9,158 | 8,384 | 774 | 43,822 |
8 | 9,158 | 8,508 | 650 | 35,314 |
9 | 9,158 | 8,635 | 523 | 26,679 |
10 | 9,158 | 8,763 | 395 | 17,916 |
11 | 9,158 | 8,893 | 265 | 9,023 |
12 | 9,156 | 9,023 | 133 | 0 |
累計 | 109,894 | 100,000 | 9,894 | 0 |
1回目の返済から完済まではもちろん、毎月の返済額まで端数が出ていますね…。
これはプロミスの返済シミュレーションを利用して算出したものですが、返済方法によっては1,000円単位でしか支払うことが出来ないため、この例では毎月1万円返済するほうが現実的と言えるでしょう。
仮に1万円ずつ返済したとしても利息は「9,043円」となり、43円の端数が出ることになります。
端数は「無利息残高」と呼ばれる。その特徴は?
先程の「プロミス」の例では、1.000円未満の端数は「894円」でした。また、毎月1万円ずつ返済している場合は43円の端数が出ていましたね。
カードローンの面白い?ややこしい?ところなのですが、仮にこれらの「端数」が返済出来ず残った場合、「無利息残高」として扱われることになるんです。
突然出てきた新しいワード「無利息残高」について、このトピックではしっかり説明していきたいと思います!
特徴1:無利息残高には利息がつかない
1つ目の特徴として、無利息残高はその名前の通り「残高」、つまりお金を借りている状態にもかかわらず利息はつきません。
なので、先程の例「894円」は何年たっても894円ですし、43円も同様です。
残高が1,000円未満である限り、そこに利息はかからない…と思っていただけたらいいでしょう。
特徴2:無利息残高があっても「完済扱い」になる
2つ目の特徴として、無利息残高があっても扱いとしては「完済」になります。
なので「あと43円残ってますよ!はよ返済して!」と言われることはありません。
実際は完済ではないのですが、端数を返済するのは手間がかかるため「完済したことにしといてあげるよ」といった感じでしょうか。
返済を求められないため、端数を返済しなかったとしても「延滞」として扱われることもありません。
端数はどういう処理がされるの?
無利息残高などの端数はどういう処理がされるのかは気になりますよね。
端数といっても
- 残高が残っている端数(無利息残高)
- 多く支払っている分の端数
の2パターンがありますが、基本どちらも扱いは同じです。
次の借入が合った場合、そこに加算(あるいは減算)される形で使われます。
例えば894円の端数があって1万円借りた場合、残高は1万894円からスタートしますし、逆に894円多く支払った分がある場合は、残高は9,106円からスタートするといった具合ですね。
注意!無利息残高があると解約出来ない
ここまで端数がなぜ出てきてしまうのか、そして出てしまった端数はどう扱われるのかを説明してきました。
無利息残高があっても「完済扱い」となるので、それ以上の請求もありません。
しかし「完済したし、もうこのカードローンを使わないから解約しちゃおう」と思った場合は要注意!
なぜなら、無利息残高があるとカードローンを解約することは出来ないからです。
1円でも残高があると契約が解除出来ない
これはよく考えれば「そりゃそうだよね」という話ではあるのですが、いくら「完済扱い」になっていたとしても実際は残高が残っているので「完済」したわけではありません。
なので、カードローンの審査などに使われる「信用情報」にも完済という情報は登録されず、契約が続いている形になります。
あくまで端数分だからないものとみなすというだけであって、解約する場合はきちんと端数分も完済する必要がある、というシンプルな結論になります。
そのままにしてもOKだが、借入件数などに含まれる
「完済扱いなんだから、そのまま放置してもいいや」という結論に達した方もいると思います。
確かにそれでもOKなのですが、完済していないということは借入件数に当然含まれますし、借り先が消費者金融であれば契約している利用限度額は総量規制に加算されています。
完済されるまではずっとお金を借り続けている状態が信用情報に登録され続けることになるため、他の借入にも影響を与える可能性はゼロではありません。
「別のカードローンに乗り換えたい」と考えているのであれば、信用情報にきちんと「完済」というポジティブな情報を登録した方が印象がよくなりますので、放置よりもきちんと端数を返済して名実ともに完済することをオススメしたいですね。
端数分を支払う必要アリ。返済方法は各社によって違う
端数分を支払うためには
- 硬貨に対応しているATM
- 銀行振込
- インターネットバンキング支払い
- 店頭での支払い
など、端数を支払える方法を利用する必要があります。
使える方法は各社によって違うので、ご自身が利用しているカードローンのホームページの「よくある質問」で調べたり、わからなければ問い合わせてみるのがいいでしょう。
ATMは便利ではありますが硬貨に対応しているところは少なく、店舗と隣接しているところでしか利用できなかったり、手数料が別途かかったりと端数を返済するのにはあまりおすすめしません。
個人的には1円単位で返済でき、手数料も無料なことがあるインターネットバンクを利用した返済をオススメしたいですね。
例えば「プロミス」であれば、
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- ジャパンネット銀行
- みずほ銀行
- 楽天銀行
のいずれかのネットバンキングの利用登録が出来ていれば、手数料無料で24時間対応で返済が可能です。
ATMや店頭からの支払いと違い、わざわざ出向かなくても返済が可能という点も魅力的です。
端数を残したくない!自分が取れる対策はあるの?
ここまでのことをまとめますと、
- 1,000円以下の端数であれば借入残高があっても「完済扱い」になる
- 次回の借入の時に端数は加算(あるいは減算される)
- ただし、契約を終了(解約)させるなら端数も含めて返済しなければならない
という3つがポイントになります。
継続的に利用する予定であれば端数のことは特別考える必要はないとはいえ、みなしよりもきちんと(完全に)完済したいという気持ちがある方も多いかと思います。
最後のこのトピックでは、「端数を出さずにスッキリと完済するためのポイント」をご紹介していきます。
1円単位で返済出来る方法を利用する
1つ目であり、最大のポイントと言えるのが「返済方法」です。
各社で利用できる返済方法は違うものの、いくつか用意されていることが多いですが「1円単位で返済出来る方法を利用する」ことが大事です。
なぜなら、ATMや銀行振込の場合は1,000円単位でしか返済出来ないことが多く、端数分がどうしても残りやすくなってしまうからです。
1円単位までしっかりと毎月返済出来る方法としては
- 口座振替(自動引落し)
- インターネットバンキング返済
の2つがオススメです。
完済近くになったら一括返済を利用して端数ごと返済してしまう手も
また、普段はATMなどを通じて1,000円単位で返済をしつつ、完済が見えてきたら一気に残高全額を「一括返済」でスッキリ終わらせてしまうというのも手段のひとつでしょう。
一括返済は本来の返済予定より返済期間が短くなるため利息を少なく出来るという大きなメリットがありますので、うまく活用していきたい返済方法のひとつです。
ただし一括返済には以下のように注意すべきポイントもいくつかあります。
- 事前に連絡が必要になるところがある
- 利息は日割り計算なので、返済日を決めておかないと返済額が変動する
インターネットの会員ページにて借入残高などを参照することが出来ますが、例えば「みずほ銀行カードローン」や「三井住友銀行カードローン」などは、一括返済を行う場合は位置ぞコールセンターに連絡し、正確な返済額を出してから、という流れになっています。
完済して、その後利用することはなく解約するという場合、ちょうどの金額を返済しなければなりません。
そのため、一括返済を行う上で電話連絡が不要なカードローンであっても、正確な返済額を出してもらうほうが無難かと思います。
多めに返済して逆に端数を返金してもらう
とはいえ、多く払いすぎても返金してもらうことも出来ます。
例えば借入残高が3,280円だった場合は「4,000円」返済し、お釣りに該当する「720円」を返金してもらうということですね。
ただこの方法は返金手続きのお願いをしないといけない(コールセンターなどに電話する必要があります)こと、返金のために口座情報を伝えなければならないことなど正直言ってちょっと面倒な方法ではあります。
どうせ問い合わせをするのであれば、残高を一括返済しますと連絡してネットバンキングなどでまとめて返済してしまうほうが手間はかからないかなと思います。
気にしづらい端数にも色々秘密が!完済を目指すなら1円単位で返済を
カードローンで発生する「端数」。
あまりにもナチュラルに発生するため、当たり前すぎて逆に気にならないというポジションと言えるかもしれません。
また、きっちりと返済していなくても1,000円未満であれば完済扱いになりますし当然延滞にもならないため「特段気にしなくてもいいじゃん」という気持ちになってしまいますよね。
しかし、完済を目指すのであればこの端数を無視するわけにはいきません。
今ではインターネットバンキングやネット払いなどを使えば簡単に1円単位の返済も可能なので、上手に使えばすぐに「完済扱い」から「完済」に持っていくことができます。
そう高いハードルではありませんし、端数だけ残して数年放置しておくよりは完済後に解約したほうが信用情報の面でも、精神的にもスッキリしますので、もしいまあなたが端数だけ残しているのであれば、これを機会に端数分も返済してみてはいかがでしょうか?